とりん

パッセンジャーのとりんのレビュー・感想・評価

パッセンジャー(2016年製作の映画)
4.1
劇場公開した時はなんとなくスルーしてしまっていたけれど、思ったよりかなり良かった。
実際に自分が同じ状況に置かれた時、どうなるかとやはり考えてしまう。
確かに主人公のしたことは人の人生を奪うという最低なことであり、とても許されるようなことではないのかもしれない。
でもそれは自分たちが当たり前のように人と接し過ごしているからであって、全く同じ状況になってみたらどうだろうか。娯楽施設も充実し、衣食住にも一切困らない、ロボットだが話し相手はいる、しかし真に心を通わせられる相手はいない。
今の時代は他人がいるからこそ成り立っているわけであり、その他人が全くいなくなることで、とても長い間自我が保てるとは思えない。
自分も同じ立場になったなら、同じ行動をするかもしくは自らの死を選ぶと思う。
クルーであるガスが主人公の行動を知った時、許されない行為ではあるが同情すると、主人公の気持ちを汲んでいた。

SFものでこういうパターンはこれまでになくないが、ここまでドラマ性に寄せたのもあまりないのでは。少し期待してたスリラー要素はほとんどなかったし、アクションとかももちろんなし。どっちかというとこのシチュエーション自体がおまけのようにも感じるほど、人との関わりって大切であるということを改めて気づかされる映画。
まぁSF好きの自分にとってこのシチュエーションはおまけではなく、しっかりと惹きつけられる要素の一つなのだけれど。

ジェニファー・ローレンスといえばハンガーゲームのイメージが強いけれど、世界にひとつだけのプレイブックなど、ドラマ系でもしっかり魅せてくれる女優である。
エンディングのImagine Dragonsも大好きなバンドなので、最後の最後までテンション上がった。
とりん

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