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パッセンジャーのRのレビュー・感想・評価

パッセンジャー(2016年製作の映画)
3.9
ものすごい変な塩梅の映画やった。まず根本的に、全体として、真面目なのかギャグなのかよく分からない。これは魅力なのかな多分。地球から植民惑星に向かってる宇宙船が、途中隕石の群れにぶつかってマルファンクションを起こす。目的地到着まで100年ちょいかかり、まだあと90年以上冬眠するはずだった乗船客のひとりが、そのせいでたった一人、目覚めてしまう。他の乗員はみな冬眠中。しかも、ポッドの構造上、再び冬眠に戻ることはできないようだ。この早起きの男を演じるのがクリスプラットで、大変にイケメンなのであるが、1年以上孤独な期間が続くなか、髪も髭もぼうぼう、身体もゆるんで、ただの汚い白人のおっさんになっていく。そのプロセスを見る可笑しさと哀しさ! と、同時に、宇宙船の内装がすげーーーー魅力的! 何から何までピッカピカにキレイやし、娯楽設備は最高に楽しそうやし、(シャイニングのホテルみたいな)小洒落たバーも出てくる。で、バーテンさんロボットやけどサイコーにいいキャラクター。この広大なスペースをプラット君が独り占め。羨ましい。映像もバキバキにクッキリスッキリ美しい。本作の面白さのかなりの部分が、宇宙船内部のワクワク感にあるのではないかと思ってしまうくらい。そんな中、彼は冬眠中の乗客の中に美女を発見。もし仮にこの眠れる美女を起こしてしまったら、死ぬまで2人で孤独 & 目的地に到着できない、そして、その事がバレたら絶対彼女に憎まれる。けど、起こさなければ一生一人きり…しかも美女…しかもまぁバレへんやろ…いやでもそんなことはしてはならぬ、我慢我慢…我慢我慢……げんかーーーーい!!!と冬眠からの覚醒方法を調べ上げて、起こしてまいます。そりゃそうだ笑 オレでもそうするわ。ほんで、そのことはもちろん秘密にして、私は何らかの事故で目覚めてしまった!!!と思い込んでる美女とだんだんムフフなお近づきになっていく。これはキモい笑 なかなかキモい。けど、クリスプラットだから許せる。彼くらいイケメンじゃなかったらぜってー許容できねー後半の展開でしかねー…これがキモオタやってごらん。とか考えたりするのは、まぁ面白い点と言えるか。とは言え、個人的には、前半はすげーおもしろい! 後半は、うーん。何か。だんだん、ふつー。ってなってもーた。しかも、最後の最後はさぁ、そりゃ無理な話だぜ、ってなるよね。もっとダークな、もしくはグレーなエンディングの方が良かったんじゃないのか、とも思うんやけど、それだと、全体のユーモアとバランスがとれへんかー。という感じで、塩梅が不思議な作品なのでした。全然面白いんやけどね、納得いかない点がチラホラ目につくんだな。十分以上面白いのだけど。
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