MasakiHattori

パッセンジャーのMasakiHattoriのレビュー・感想・評価

パッセンジャー(2016年製作の映画)
3.7
宇宙という極めて絶対的な限定空間に取り残され、生き残るためにあらゆる方法をトライ&エラーするという映画は多数あるが、5000人と同じ空間にいながら死ぬまで宇宙船に1人で過ごすという設定は既視感がなく面白い。
ストーリーはというと、登場人物は運命を受け入れるしかないわけだが、人生を狂わされたという割には、緊迫感や絶望感に欠ける気がする。中盤それなりに尺を割いた単なる恋愛ドラマ的なシーンは、砂漠で見つけたオアシスに文字通り“溺れる”ような雰囲気で、半端な幸福感がある意味リアルに感じられ、なんとなく痛々しく滑稽で、個人的には嫌いではなかった。
また、斬新な宇宙船のデザインや、品の良いライティングが映える無機質な内装には好感が持てた。
非人道的な行為により信頼を失った主人公、運命が見えているストーリーがどのように収束するのか気になったが、個人的に好きな締め括りだった。
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