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パッセンジャーのslowのネタバレレビュー・内容・結末

パッセンジャー(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

これを『アニアーラ』とリンクさせて観ているラッキーな鑑賞者はあまり多くいないだろう。あの時すれ違っていたのはこの宇宙船だったのか。軌道が違うって?気にしない気にしない(勝手)。でも何千人乗せた移住計画とか、完全に影響を受けていそう(原作に)。本作の展開はAIなどではなく人間だからこそ。AIの判断だとこうはならない(AIが本作のような判断をしたという物語ならそれが一番興味深いかも)。全体的にCGなどの作り込みも手が込んでいて素晴らしく、スターを起用した大作然とした映画で面白かった。スケールの割に宇宙船の故障が簡単に修復できたり、そもそも脆弱なリスク管理体制どうなの(ポッドの予備とかもっとあるべきではとか考え出すとホームステッド社の落ち度は見逃せない)とか、都合良過ぎだと思わなくもないけれど、全てはこの状況を作るための装置だったのだろう。例えばオーロラが目覚める時点から映画が始まり、機械の不具合か、起こされたのか、というサスペンスでも楽しめたはず。でも、これはやっぱり未来版アダムとイヴなのだろうし(眠り姫?)、そっちの要素はいらないのだろう。とは言え、ジムの行動への共感は難しくはないけれどとても危険。もう起きてしまったものはしょうがないから協力しなさい。1人じゃサバイバル無理だから死なないで欲しい。もう設定上許す方に(恋物語として)話が進むもんだから、ラストはハッピーエンドみたいになってるけれど、ジムの行為はやっぱり許し難い。状況が状況だから?飢えとカニバリズム的な?でもこれ美男じゃなかったら(好きになっていなければ)、あのマウントの日に本気で殺していたのでは(殺したら殺したで今度はオーロラが独りになり第二のジムになるという地獄ループ)。もしくは1人でポッドに戻ったはず。美男だったことが運の尽きか(言い方)。終盤宇宙船に様々なトラブルが発生し、オーロラが目覚めていなければ、仮に冬眠していたとしても宇宙船を救えず未来はなかった(乗客全員)。そうだとすれば、結果的に意味も見出せるけれど、やっぱりオーロラではなくてはならなかった理由に納得できない観客が多いのではないかな(好きになったからでは…)。ジムではなくてオーロラが偶然にも技術者であったとかであれば、まだ説得力というか、運命の大悪戯とでも思えたかもしれない。まあ地球上でもなければ、人がいないこの空間で、倫理観も何もないだろうと開き直れたりもするわけで、愛だよ、愛、て感じですかね。文句はあったものの、映像美とその技術、役者の演技は素晴らしかったし、楽しめました(帰還)。
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