小一郎

わたしはマララの小一郎のレビュー・感想・評価

わたしはマララ(2015年製作の映画)
3.7
2014年、ノーベル賞最年少となる17歳で平和賞を受賞したマララ・ユスフザイのドキュメンタリー。沈黙より行動。武力には言葉で対抗。命がけで発する言葉というのを見せ付けられた。

女子学校の経営者である父は、マララという名前を「マイワンドのマラライ」 にちなんで付けた。 1880年の第二次アフガニスタン戦争の戦いでアフガニスタン兵を言葉で励まし、奮起させイギリス軍を撃退させた英雄だ。

2007年、武装勢力パキスタン・ターリバーン運動(TTP)がマララ一家が住んでいたスワート県を行政を掌握。〈恐怖政治を開始し、特に女性に対しては教育を受ける権利を奪っただけでなく、教育を受けようとしたり、推進しようとする者の命を優先的に狙うような状況になった〉。これに対して抗議の声を上げるマララ。初めはBBCのサイトに匿名で、やがて顔を出し、公然と主張するようになる。

しかし、まさか子供は狙うまいと思われたTTPから2014年に銃撃される。それでも戦い続けるマララ。まさに「マイワンドのマラライ」の写し絵だ。

映画で見るマララは、明るく、スポーツ選手に入れ込んだり、トランプをして遊んだりする普通の女の子でありながら、極めて強靭な意志を持っていることがわかる。この歳でこの強さはなんなの、と驚きだ。

一方、インタビュアーに問われていたように、弱さを語らない。世界的な称賛の半面、非難や中傷も凄いと思うけれど、苦悩や葛藤は語らない。

そこが物足りないかな。弱さを知ってこそ、その強さの確かさが伝わってくる。銃撃されて増々強くなったように見えるけど、何かの拍子で挫けてしまわないのだろうか、と少々心配かも。