けーはち

わたしはマララのけーはちのレビュー・感想・評価

わたしはマララ(2015年製作の映画)
3.0
銃撃されながらもタリバンの女性差別を訴えノーベル平和賞を受賞したパキスタンの少女、マララ・ユスフザイのドキュメンタリー。

★本人のインタビューや取材映像をベースに、再現ドラマ、現地の写真や映像、あるいは生々しい音声、それに絵本調のアニメーションを加え、ドラマチックに再構成されたドキュメンタリー映画。とはいえ、ほぼそのままで映画になるような壮絶な人生。モコーリとか言ってゴメンな!

(参考)マララー
http://www7.atwiki.jp/aadic/pages/26.html

★父親が教育熱心な人だったという話はあるが、その雄弁さは祖父譲りだったというのは面白い。父親は滔々と喋るのではなく、むしろ吃音気味の人。受け継がれる“炎のように語る”精神は、まるで物語の主人公のようだ。

★「私は普通の女の子で、私の声は誰々の声でもあり、また誰々の声でもあり、教育の受けられない何千万の少女の声である」といった、主語をどんどんデカくしていく社会運動家らしい“語り”には何となく警戒心を覚えてしまうが、それは私が日本人で、男性だからだろうな。タリバンやボコ・ハラムは、我々にとっては遠い存在だけど、「教育」は誰にでも開かれた事項であり、その意味を問い直す他山の石とすべし。なかなかに重い映画だった。