TakashiNishimura

わたしはマララのTakashiNishimuraのレビュー・感想・評価

わたしはマララ(2015年製作の映画)
4.0
元々は劇映画として企画されたが、本人と家族に取材しているうちに制作者がその人間性に感動し、ドキュメンタリーに切り替えられたという。そんなエピソードも納得の逸品。マララの父親の信念に打たれ、何よりマララ自身の強さに感動する。

そして、とにかくわかりやすい。

テーマは、教育機会を奪われた少女が、命を張って人権を取り戻そうとし、同様の境遇に置かれている世界の少女の為に立ち上がるという、我々のような非イスラム社会の人間にとってもたいへん理解が容易である。表現も、過去のエピソードにはアニメを用い、イメージ・カットを随所に挟み込むなど、日本式ドキュメンタリーには余り見られない手法ではあるが、鑑賞者に高いリテラシーを要求しない。やはり、このくらい分かり易くないと、世界に発信できる劇場コンテンツにはならないのだな、と思う。

だから、これでいい。

これでいいのだが、それでも、日本式ドキュメンタリーどっぷりのこの身には、ごくごく微かな欠落感が残る。イスラム過激派と呼ばれる人達は何故にあそこまでして女子教育を否定するのか、イスラム社会における(必ずしもマララの様ではない)一般的な女性達は自分たちの “権利” についてどう考えているのか、ついついもっと知りたくなってしまう。