最高最高最高すぎる。本当に、実写映画としてここまでのクオリティを二作続けてよく叩き出してくれていると思う。素晴らしい。
二部構成にする意味がよくわかった。映画としても実写ものとしても二部構成作品としてもクオリティの高いもので面白かった。松岡茉優のしのぶちゃんが最高だった。漫画から飛び出して来たみたい。
前編で部内での友情、努力、そして勝利という流れを描いたのに対して、後編では部内だけではなく外部との関わり、努力をしても超えられない壁・存在があること、そして限界を決めつけずに立ち向かい良きライバルを作るというマジでアツすぎる展開だった。
新のかるたやめる流れをここに持ってくるのは意外と思っていたけど、内・外での展開の持っていき方として新問題をこの後編最初に持ってくるのは大正解だった。もちろん部内での友情は前編よりも強固になっていてお互いがお互いを信頼しつつかるたに全力で取り込んでいるのも良かった。けれど千早太一新の幼馴染組の問題とそれを見る机くん肉まんくんかなちゃんの立場や、最年少クイーンとして立ちふさがる若宮しのぶとの関わりという前編にはない前編よりも少し広がった世界での瑞沢高校かるた部の関係性がとても面白かった。
かるたをやめると言った新を引き戻したのは、千早のかるたに対する真剣さで、それが太一の心を引き寄せてクイーン若宮しのぶの心も動かす。王道の流れの中でそれをしっかり表現していた脚本演出役者全部が良かった。
強すぎて心が折れて行く相手を見て切なそうにし、自分より強い人はいないと会場を立ち去ろうとまでしたクイーンが、圧倒的な実力差をつけられても一枚一枚折れずに立ち向かってくる千早と最終的には本気に近い形で札を取り合っていたのが印象深かった。結局大差で負けてしまったけれど千早がクイーンにまたかるたやろうねと声をかけたとき、一人きりでかるたをしていた若宮しのぶが仲間でも友達でもライバルでもないけれど独りではなくなったあの瞬間に絞り出した「いつや?」という次回を聞くセリフがめちゃくちゃ良かった。かすれた小さい声で聞くクイーンと無言で立ち去る松岡茉優の演技が最高。
「個人戦は団体戦」。ここまでテンションあがる邦画を本当に久しぶりに見た。