高校で再会した幼なじみの太一と一緒に競技かるた部を作った千早は、創部1年にして東京都大会優勝を果たす。
自分をかるたに導いてくれた新に優勝報告をした際、新の衝撃的な告白に動揺する千早だったが、全国大会のために仲間たちと練習に打ちこむ。
そんな折、千早は同い年で日本一となった若宮詩暢のことを知り…。
広瀬すず主演の学園青春ドラマ。
『上の句』の続編。
東京都大会で優勝を果たした『上の句』に引続き、『下の句』は全国大会を題材に、ストーリーが進んでいきます。
『上の句』、『下の句』、連続してみることのできる満足感。
『上の句』を劇場でみたら、『下の句』が待ちどおしかったでしょ。
続編は成功するかしないか。
予想外にも、ストーリーを『上の句』から広げてくれました。
ギャグも健在ですし、かるたの競技スピード感もあるし、友情や淡い恋心も。
この手の青春映画は、如何に若い人の輝きを上手く見せられるか。
その点でこの映画は抜きん出ているのではないでしょうか。
広瀬すずちゃんの可愛らしさ、カルタをしている時の表情。
崩れた必死な顔でさえ可愛いし、とても魅力的。
競技かるたの躍動感をスローで見せることで表現しているのですが、その格好よさに鳥肌が立ちそうになりました。
また、間違いなく松岡茉優さんのクイーンが絶妙。
本作の裏ヒロインが松岡茉優さんであることは間違いない。
与えられた台詞や用意されたエピソードはきわめて少ない。
にも関わらず『上の句』から築き上げてきたメイン5人の存在を脅かし、劇中で最も深みのあるキャラクターになっている。
時折みせるギャップの演技と、最後の微笑みにくらっとくる。
まっけんゆうの役も難しいのに、良くもあんなに透き通る感じで演じたよなぁ・・・。
まっけんはごつくなったし、もうあの少年感は出せない。
皆もだけど、あの年齢の限られた時にしかあの独特の青春感は出せない。
我々はこそばゆさを感じながらも、もう一度その青春を覗かせてもらう。
それが青春映画やドラマを見る時の正しい心構えなのではないでしょうか。
しかし、競技かるたの戦略性に重点が置かれていた『上の句』に比べて、いよいよロジック無視の精神論の世界に突入し出した『下の句』。
負けそうになったらおもむろに立ち上がって、かるたが楽しかった頃を思い出すと調子が取り戻せるって…。
『上の句』では当て馬役だった森永悠希と上白石萌音が、いつどこでどんな修行を積んだのか、破竹の勢いで敵を打破していくというあたりにも雑味を感じた。
とはいえ、仲間の大事さや繋がりなんかが感じられて、青春を感じさせる仕上がりでした。
千早と、太一、新の微妙な関係…。
続編も、ぜひ観たいです。