トッシー

スパイダーマン:ホームカミングのトッシーのレビュー・感想・評価

4.6
MCU版スパイダーマン!
本格的に!!!
大、スタート!!!!!



たぶん面白いんだろうけど
色々と納得いかん…
…ってのが初見の感想でした。

再鑑賞でございます。



様々な大人の事情をぶっ飛ばし
ついにMCUに帰ってきた!
…っていうか合流した
スパイダーマン…

確かに…
それだけで激熱なんですよ。

しかし、単に
スパイダーマンが
『アベンジャーズ』に出ますよー!
…ってだけじゃなく…

この映画、今までと真逆の
スパイダーマン像を
叩きつけてきましたよね…

…と言うか、
サム・ライミ版と
マーク・ウェブ版で
作り上げられてきた
これまでのスパイダーマン像を
全力でぶっ壊しにきやがった…!



明るく、元気で、
あんまし悩まない!
浮かれるガキンチョ!!!
トム・ホランド →
スパイダーマン/ピーター・パーカー!

…がワチャワチャ暴れる
ハチャメチャ楽しい
青春コメディアメコミヒーロー
アクション映画!!!


これまでの実写映画シリーズを
観続けてきたファンからしたら

…新しい

確かに新しいよ…



…けど!!!



こんなの…



俺たちの…



スパイダーマンじゃねえんだよ!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!




もっとウジウジしろよ!
もっと悩めよ!

軽いんだよっ!
軽すぎるんだよっ!

『アメスパ』はそれまでと
ほとんど変わってない!
…って文句言ってたけど
これはちょっと変わりすぎや!!!

もう別人やで別人
別スパイダーマン!
別スパ!!!

『アメスパ2』ラストからの
温度差も激しすぎて!!!
ついていけねええええええええ!!!

アクションも弱いぞ!
スパイダーマンの代名詞、
摩天楼を飛び回る
スイングシーンも無いからな!!!

そのオリジンを、
「クモに噛まれた!」
…って会話だけで済ます
潔さは良いよ!!!

でも、ベンおじさんはよ!!!?

ベンおじさん、どこいった!?
3回も殺すのは確かに忍びないが、
それでもその名前すら出てこないとは
一体どういう了見だ!!!!

メイおばさんは…!
…………これは…
………まあ、良いとして。

その他諸々!
その他諸々の
スパイダー的なあれこれ!!!!

ほんまに…
これでええんか!?


マリサ・トメイ以外! !!
これで…!
ほんまに、ええんかーーーっ!!!?



…ってね、
1人でちょっと炎上していたら
世界興収………
前作よりアップしたんよね。

打ち切り、と言う憂き目にあった
『アメスパ2』より数字を伸ばし
サム・ライミ版と
同じくらいまで回復しましたよね。

…嬉しい反面
ちょっと動揺したよね。

MCU効果はあれど、
この映画においてはアイアンマンが
ちょこっと出るくらいのもんなんでね

この成功の大きな要因は
やっぱり トム =New= スパイダーマンが
世間に受け入れられた!
…って事なんだと思うのよ。

…あっそうなんや、
そうなんやね。
そ、そうなんや。

だから、動揺しながら
もう一回観たらね、
普通に面白かったです。
今回の再鑑賞でも
変わらず面白かったですね。



なんつってもね、
大人にひどい目にあわされる
子供を撮らせたら
ピカイチのジョン・ワッツ監督が
大人にひどい目にあわされる
スパイダーマンを
ピカイチに撮ってますよ。
職人芸が光ってる。

全世界の狡くて悪い大人代表
マイケル・キートンの
凄みもツボります…

ヴァルチャー
=エイドリアン・トゥームス
実際にはそんな強くないのに
マイケル・キートンの凄みが凄い。

ステゴロで殴りあっても
ピーターくらい一方的に
ボコれそうな謎の格上感と大物感が
たまらんですわな。


そしてあの、
ホームカミングパーティーから
最終決戦へ至る流れなんかもね
秀逸ですよ。

ベンおじさんも
「大いなる力」も「責任」も
ちっとも出てこないのによ…
そのスピリッツは
しっかり描いとるんですよね。

普通の「幸せ」を犠牲にしても
ヒーローとして闘う!
…と言う選択。

他のヒーローと比べても
激烈に、強烈に、克明に、
いやがおうにも浮かび上がる
スパイダーマンが
スパイダーマンたる
スパイダーマンらしさ!

これね、
ジョン・ワッツ監督が良いのか
ケビン・ファイギが良いのか
知らんけど、
相当意識高いリブートですよ。

世の中の流行りにあわせて
全く新しいものを出しながらも、
オールドファンも
しがみつける余白を
本当にちょうど良いバランスで
ちゃんと残してくれている。

色んな観客への
気配りがすごいんよ。
気配りスパイダーマンよ。

しかし相当計算して、
メチャメチャ会議と
シミュレーションを重ねて
作ってそうですよね。この映画。

ジョン・ワッツとか
ケビン・ファイギとかは
やっぱり凄いんだろうけど、
そんな少数の天才だけで
作ったんじゃなくて
たくさんの頭の良い人が
知恵を出しあって
作った感じがするんですよね。
卒がない。

まあ、勝手な想像なんですけどね…

本当は、もうちょっと個人の才能とか
個人的欲望がはみ出してきてる
歪さも好みではあるので

そんな要素も見えてたら
もっと点数あがってたんすけど
1発目ですもんね。
そこまで求めるのもアレか…



…ただ、アクションは弱い。
そこはゆずらん。
スパイダーマン言うたら
もっとかっこ良くて激しい
スパイダーアクションが
俺たちは観たいんやでえええ!!!

(その辺は次作以降で
見事にやってくれました。
やっぱり気配りが凄いわ…)


2022-3
トッシー

トッシー