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スパイダーマン:ホームカミングのrollinのレビュー・感想・評価

5.0
⚡︎⚡︎ Hey Ho, Let's Go!⚡︎⚡︎

そうだよ!クイーンズといったらラモーンズ、スパイダーマンといえばRAMONES!もうこの時点で完璧!!

コップ・カーでの最初の台詞が「チ◯コ」である事からも分かるように、ジョン・ワッツ監督の第一の才能は日常の瑣末なやりとりに於けるリアリティ溢れる演出力。
本作でそれを体現するのはピーターの親友ネッドであり、ハンドシェイクや秘密の共有、高嶺の花であるヒロインの観察など、ニューヨークの片隅で埋没しそうなボンクラ2人の共犯関係と垢抜けない童貞クイーンズ感こそが映画全体を豊かにしていて、その関係性はさながら第2デス・スターを急かすこと無く建造するダース・ベイダーとパルパティーンなのでがんす。

そしてスパイディを凌ぐほどカッコ良いヴァルチャーのデザイン!フライトジャケットと巨大な機械翼、ヤードに帰還してピットインする感じは鳥人間と言うよりもはや人間戦闘機に近くて、もう夢しかない。プロ鳥人マイケル・キートンの存在感は言わずもがな。
スパイダーマンの新スーツの豊富なガジェットギャグも魅力的やけど、それがかえってピーター自身の不可能性を証明し、さらに成長への布石となっている演出も見事。そしてそれ故の危うさも。次回は是非即死モードが観たい!

ウルトロン以降、どんな説教を垂れても「お前が言うな!」状態やったトニー・スタークも、本作では実に的確・適当にピーターを導く代理父の役割を果たしていたね。
そしてワシントン記念塔のエレベーター落下の短いくだりの中で、サム・ライミとマーク・ウェブ両監督の過去シリーズへの最高なオマージュを軽々とこなす技量には超感動!今度こそ落とさない!

ソニーとMCUの共存関係をそのまま反映させた様なラストも巧いし、シリアス&高齢化していくMCUにド直球で風穴を開けた本作の清々しさは、もちろんトム・ホランドによるトム・ホランド力の賜物なのでがんす。どうかリズが幸せになりますように。
大好き!おもしろい!
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