やわらか

スパイダーマン:ホームカミングのやわらかのレビュー・感想・評価

4.2
今まで観たアメコミ系映画の中で1,2を争うぐらい良かった。
 
アメコミ映画って多かれ少なかれメタフィクション的な要素があると思うけどこれは特に顕著。全体の70%ぐらいでトム・ホランド演じる主人公の若さの空回りによる失敗と挫折を描いておいてから、「マイケル・キートン」という映画の内でも外でも特殊な力を持つ翼で、トムを新たなアメコミ・ヒーローのスターに抱えあげて行くみたいな。
 
しかし、マイケル・キートン。ホント凄いな。この作品って彼が居るから成立してる物語だよね。これまでのキャリアが、何でもないセリフや演技を立体的にみせているというか。まぁ、発想的には「バードマン」の二番煎じなんだろうけど、実際効いてるよね。何せ80年代からヒーローやってるわけで、つい最近00年代からヒーロー始めたぺーぺーのダウニーJr.には出せない風格(笑) でも、マーベル側でこんな使われ方をしてるのってDC的にちょっと悔しかったりする?
 
他の出演者だとミシェル役のゼンデイヤがスマートで印象的で、リズよりもこっちの方が魅力的じゃんと思ってたらやっぱり。。。次回作にも期待。あと一応、最後美味しいところで顔を出すロバート・ダウニーJr.もやっぱりカッコいいんだけど(笑)
 
ま、敢えて気になる点を言えば、ティム・ホランドの成長物語はもう少しあっさりでも良かったかもしれない。。。。でも、あの溜めの長さが最後の爽快感に繋がるんだしなー。うむ。
 
映像面で言えばエンディングのコミックを使ったシーンがすごくオサレ。DCとかマーベル、どちらの映画でもコミックを挟む演出ってあるけど、ただ原作のイメージを借りてるだけって感じ。でも、この映像はちょっとトレインスポッティングみたいなヨーロッパっぽいというか、ポップアート的なセンスが感じられた。
 
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