Masato

スパイダーマン:ホームカミングのMasatoのレビュー・感想・評価

4.7

ノーウェイホームのため再び復習

マーベルの映画は何度も見ていると、その隙のない作りに驚かされる。学園青春からヒーロー、コメディまで多彩なジャンルをミックスさせて完璧な作品に作り上げた。コメディはソニーらしくクオリティが高い。そして、一貫してピーターという若者の未熟さにフォーカスしたまま、ここまでのヒーロー物語に仕上げるその手腕が凄まじい、

ヴィランのヴァルチャーのアプローチの仕方も映画的トリックからブルーカラー、ラストベルトの人間をトニー・スタークの物語とも絡めて社会情勢を反映させる。特に当時はトランプ政権真っ只中であり、シビル・ウォー後のアイアンマンだったことを考えるととてもタイムリーかつ的確な描き方。マイケル・キートンというメタ的にもルックス的にもマッチしたキャスティングも見事。

完璧


▼2018年再鑑賞時レビュー

インフィニティウォー直前
シリーズ厳選?復習。


移民の街クィーンズとイマドキティーンのリアリティが素晴らしい。理系のアジア人の多さと、その他様々な人種の多様さ。若々しさが溢れる青春学園モノ。未熟が故に葛藤する様、儚い恋模様、若者が悪い大人をやっつけようとするジュブナイル。ブルーカラーの静かなる叫びも含まれている。フィクションの裏に隠された圧倒的リアリズムが最高の見所。

ヴァルチャーの徹底されたリアルな人物像。ブルーカラー(特にラストベルト)をメタファーにした現代の社会問題を反映させているヴィラン。

そして、あるシーンで5〜10分間ほどホラー映画になるところが最高。Jon Wattsの味が最大限に効いた瞬間であろう。

ネッドとの掛け合い、トニースタークとの掛け合い、バットマン然りのマイケルキートンの圧倒的目力と演技力。トムホランドの童貞感。素晴らしい。



⬇︎劇場鑑賞当時の感想


フリーパス3本目

最高でした。

ソニーとの権利の問題で、MCUには入ってこなかったスパイダーマンがついにMCUに!

暗かったサム・ライミ版、ややコミカルになったマークウェブ版、そしてもっとコミカルになった今作。
やっぱりプロデューサーのケヴィンファイギの手腕は半端ではない。

コミカルになりすぎてティーン向けの軽々しい映画になるのでは?と不安だったが、高校生の未熟な姿、大人との対立、承認欲求がしっかりと描かれていて素晴らしかった。
ちょっと変わった青春映画としても見ることができます。

悪役の動機もしっかりしていてる。
トニースターク一味が街を壊して、また自分で廃品作業をして儲けようとしていることで、庶民には仕事が回ってこないことの恨み。これは、現代社会への結びつきが見られる。
デトロイトは日本車の台頭で廃れていったわけですが、トランプ大統領は日本車の関税を高くすることなどで仕事をなくしたデトロイトの市民たちの票を取りました。

トランプ大統領のポピュリズムで、アメリカ国民の不満が露わになった今、ヴァルチャーのような悪役はいてもおかしくはないと考えられます。
ヴァルチャーはトランプ支持者だろう。


映画のテンポが良く、食傷気味になる程アクションシーンがくる。それでいて、ストーリーは高いクオリティ。
ホラー監督出身(MCUの監督はほぼホラー出身)なだけに、スリラーやホラー的な演出がピカイチに光っていて面白かった。ホラー映画監督は多彩で素晴らしい。
アジア系や黒人、グローバルなキャスティングも素晴らしいし、ヒロイン同然の役が男というのも現代的な構成で素晴らしい。
そして、続編への布石が多くて期待がかかる。

トムホランド、マリサトメイは良いキャスティング。マイケルキートンがバットマン、バードマンに続いてまた飛んでる役なのが面白い。
Masato

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