河豚川ポンズ

スパイダーマン:ホームカミングの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

4.3
スパイディのあまりの若々しさにあてられる映画。
公開前から三部作になるやらMCUに入るのか入らないのかとかヴェノム単独で映画やるよとか、とにかく外野の話ばっかりが話題に上がってたけど本編は普通に面白くて安心しました。

シビルウォーを経てトニー・スターク(ロバート・ダウニーjr.)にヒーローとして認められた、スパイダーマンことピーター・パーカー(トム・ホランド)。
アイアンマンや他のアベンジャーズと共に世界の脅威と闘うスーパーヒーローに!…と思いきや、任せられるのは地元のNY、クイーンズでの自警活動ばかり。
能力と不釣り合いな活動に不満を募らせていくが、ピーターとしての生活にも転機が訪れていた。
アカデミック・デカスロン(全国学力コンテスト)への出場を控え、チームでの練習とヒーロー活動との板挟み、そしてチームメイトで片想いのリズ(ローラ・ハリアー)との関係に思い悩む日々が続く。
そんな中、謎の技術を使った兵器を持つATM強盗たちと出くわす。
その武器の出所にはヴァルチャー(マイケル・キートン)と呼ばれる、機械の翼を身に付けたヴィランが関わっていたのだった。

ライミ版はフリーのカメラマン、アメスパは大学生、そして今作は15歳の高校生とぶっちぎりで若いピーター。
予告で残念なオタクみたいな紹介されてましたが、こんなキラキラした学生生活送ってるのに文句言ってんじゃねーぞ!って感じでした。笑
その分、メイおばさんやベンおじさんの話を匂わせてはいるものの、みんなあえて触れないようにしてくれているというような感じだったので、次か3作目でとんでもなく重い話になるんじゃないかなと今から恐々としています。

一方でヴィランのヴァルチャーは、生い立ちから考えるとかなりこちら側というか、同情できる存在でした。
何よりもマイケル・キートンの演技がとてつもなくよく、あるシーンでは顔と声は笑ってるのに目が全く笑ってないままでスパイダーマンと対峙する場面があり、その男が奥底に抱える恐ろしさをヒリヒリと感じさせるすごいシーンでした。
武器の機械の翼も想像以上にかっこよく、コミックでの全身緑タイツのハゲのおじいちゃんからよくこんなスタイリッシュなヴィランになったなと感動しました。

ヒーローとしての未熟さがストーリーの中心にあったので、やたらめったら失敗するスパイダーマンというのは見てて面白かったです。
欲を言えばもう少し学生生活がどんなのだったのか、いわゆるイケてないオタクポジションにいる描写があれば良かったのかなとも思いました。
さすがに本編2時間15分でこれ以上長くするのは、なかなか無理があるとも思いますが。

もし自分があの高校にいたら、少なくともピーターと友達になれるほどにキラキラはしてなかったですね…笑