ペジオ

スパイダーマン:ホームカミングのペジオのレビュー・感想・評価

3.7
MCUに絡めとられとんな、この蜘蛛は

やたらMCUとの繋がりが強いのは、「やっと家に帰ってきた!」という無邪気な喜び…ではないのだろうな

他作品群と比べて話のスケールがぐっと小さくなった事(せいぜい半径1000メートルぐらいの規模で展開する敵味方の人間関係もスパイダーマンの下町感覚にのっとっている。)は、これまであまり描かれてこなかったMCUに生きる庶民の感覚(主にアベンジャーズに対する認識)が伝わって新鮮
(女子高生の「ヤるならソー、結婚はアイアンマン、殺すならハルク」の正直さよ。)
むしろ世界観の強化としてこちらを描きたいから「親愛なる隣人」を引っ張り出したんじゃないかと邪推したくなる
サム・ライミ版やマーク・ウェブ版がスパイディ愛(及び摩天楼を飛び回る自由さ)を感じる「作品」だったとすれば、どうしてもパッケージされた(縛られた)「商品」感は否めない

「良くできた商品」であるのは間違いないけどね
ベン叔父さんの下りを切って陽性の作風に振り切ったのは正解だと思うし、その結果としての明るい青春学園ものは思った以上に楽しめた
きちんと過去作に敬意を払いつつ差別化に成功していると思う

ただ個人的にこの「何故かみんな主人公にかまってくる」という最近の少年ジャンプっぽい感じはむず痒くなるのだが、こういうのがウケるっていうのは理解はできる
若者に良く見られる承認欲求がどーとか何とか並べて語るのはそれはそれでなんかムカつくけれど

いつものエンドロール後のオマケもネタにし出す余裕を見るとそれだけ世間に認知されたんだなあと感慨深い
(ちと鼻につくが。)
ペジオ

ペジオ