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スパイダーマン:ホームカミングのdeenityのレビュー・感想・評価

4.0
スパイディシリーズは本当に人気ですね。MCUに合わせて、ということもありますが、どの監督が手がけたシリーズも一定の支持率を誇っていますからね。愛されていることを改めて痛感しました。

個人的にはサム・ライミがメガホンを取った初期が一番だと思っていますが、本作はまた今までのものとは異質ですね。まずもってスパイダーマンに至るまでの経緯が一切なし。これは今までのMCUヒーローともまた違いますね。なぜそうなったか、などはみな周知のことと言わんばかりで、そりゃスパイディを知らない人はいないでしょうけど。当時まだ子どもだった子が初めてこのシリーズを見ようと思ったら困ってしまいますよね。だって生まれつきスパイダーマンみたいに思えてしまうんですから。
説明も一応あるにはあります。親友の質問攻めの中でごく簡単に。むしろ説明という意図はなく、周知の事実を知っている観客を笑わすのが目的のように。だから個人的にはスパイディの一作目としてここから見始めるのには向いてないと思います。

スーツのお姉さんのカレンとのやり取りやスーツの機能性なんかも見所の一つで楽しめるし、スタークさんとの関係性も見えてくるので、MCUファンからすると見ておく必要があると思います。

ただ、やっぱりその辺りも本来のスパイディではないですからね。シンプルに蜘蛛の糸を駆使して戦うのが元々であって、あれは『アベンジャーズ』スタイルですからね。とりあえずやはり、アベンジャーズの予習としては見た方が良さそうですが、スパイダーマン一作目には不向きでしょうね。

個人的にはヒロインとのやり取りにも不服。キルスティン・ダンストが恋しいんですよね(笑)本作のヒロインは何ていうか華がないというか、失礼ですけど。過去作よりそこに重きを置かれていない気もしますし。少し残念でした。

一方で敵カャラは味がありましたね。マイケル・キートンを鳥人間みたいに使う辺りがまた何とも言えないセンスを感じましたが、ヒロインの親父という設定には息を飲みましたね。あの一台の車の中に乗り合わせて互いの真実に気づくシーンの切迫感は見事だと思いました。

とりあえずアベンジャーズでの彼の進化は知っていたのでその辺はワクワクして楽しめましたが、完全に別の層をターゲットにしている作品だという印象を受けました。
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