いちごみるく

しあわせへのまわり道のいちごみるくのレビュー・感想・評価

しあわせへのまわり道(2014年製作の映画)
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運転を習う過程で、教授が教えてくれる言葉の一つ一つが、どれもとても大切な事で、それはそのまま困難を乗り越えていくための道しるべのように思えた。

ただの運転の教官と生徒、教える側と教わる側、という関係に留まらず、
その立場を超えて、お互いに影響を与えあい、成長していく様が、素敵だな、と思った。

教えられる側が成長していく話のように見えるけれども、「プリティーウーマン」の様に、実は、教えている側が、逆に成長させられた、といことが、ラストシーンから見てとれる作品だった。

自分自身に重ねて合わせると、ただの美容師と客、という関係性と位置付けて距離を保って関わっているけれども、そこに行き着くには4年以上の歳月がかかっていて、
だからこそ、この友達でもない、恋愛感情でもなく、でも私はその美容師を信頼しているし、美容師の方も普通の客には話さないであろう事を、私に言ってきたりする、という、今までの誰とも違う、なんか不思議な結びつきのある関係性だなーー、という事を考えた。その人は、時に冷たくバサっと切る性格ではあるが、大概は余計な事は言わず、そっと寄り添って丁寧な仕事をしてくれる、そんな人。

この作品を通じて、その様な関係性を作れる人に出会えた、という事は、人生の宝物だな、という考察に至れて、とても良かったと思う。