◆あらすじ◆
家出した少年のハリソンとトラヴィスは無人のパトカーを発見し、そのまま運転して逃げてしまう。一方、そのパトカーの持ち主の保安官のミッチは悪事に手を染めており、パトカーを取り戻すべく策を弄する。
◆感想◆
家出少年がパトカーを盗んだことで悪徳保安官に追われる様子を描いた作品となっており、家出少年たちがパトカーを手に入れてから行うことのそれぞれが子供らしいリアリティがある一方、悪徳保安官が悪人であるにもかかわらず、どこか抜けていて滑稽さを感じるところがあって、奇妙な雰囲気のある作品でした。
家出した少年のハリソンとトラヴィスはとても幼く、家出と言っても小さな冒険といった感じがあって観ていてほのぼのしました。パトカーを発見した2人は子供らしく車をいじって遊んでいたのですが、ドアの鍵が開いていて、なおかつ車の鍵まで車の中に落ちていて、いかにも運転してくださいといった状態でした。このまま放置した持ち主がうかつとしか言いようがないです。2人は車を試行錯誤しながら走らせていて、遊園地の乗り物に乗っているかのようでとても楽しそうでした。
そのパトカーの持ち主の保安官のミッチ(ケヴィン・ベーコン)は遺体を処理するためにパトカーから降りて作業中、少年たちにパトカーを奪われます。紙幣の束と麻薬をミッチが所持していて、恐らく麻薬売買の仲介をしていたものと思われます。ミッチのパトカーには重大な秘密があって、ミッチはパトカーを取り戻すべく、警察のネットワークを使って少年たちの追跡を行うのですが、ミッチがかなり喜怒哀楽が激しくて、怖さなど一切感じませんでした。
ストーリー後半には2人のパトカーにミッチがたどり着くのですが、そこで思わぬ人物が絡んできて、緊迫感よりも滑稽さを強く感じる展開になっていたように思います。ハリソンとトラヴィスは追い詰められているので緊迫感があるのですが、ミッチの最期の顛末を観るにカッコ悪さが際立っていてとても滑稽なラストのように感じました。
ケヴィン・ベーコンの個性が際立った作品となっていて、ベーコンマニア必見だと思います。私はマニアでないのですが、この作品の不思議な内容に最後まで惹きつけられました。
鑑賞日:2025年3月13日
鑑賞方法:CS ザ・シネマ
(録画日:2024年2月3日)