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COP CAR コップ・カーのkouのレビュー・感想・評価

COP CAR コップ・カー(2015年製作の映画)
4.0
《もし現実世界の冒険に出たら》
正直見る前はそこまで期待していなかったのだが、凄く良く出来ていて凄く面白い作品だった。ケヴィン・ベーコン製作総指揮、監督ジョン・ワッツの今作は主な登場人物が5人ほどで、大体がパトカーを田舎道で乗り回すという内容なのだが、とてもスリリングでありながらシンプルで、少年たちの冒険の物語でもあった。

彼らの周りの大人達はどこか可笑しさがあって、特に保安官は怖いだけでなく、ケヴィン・ベーコンが子供相手に怒り狂って焦る度に笑える部分もある。これが大人対大人だとこうもいかない。相手が子供だからケヴィン・ベーコンの恐ろしさもどこか不謹慎に笑えてしまう。それは怖さと少年という組み合わせの絶妙さにあると思う。

「自分達の想像力の世界というのはないが、現実社会でもし冒険に巻き込まれたら、それはとても恐ろしいものなのではないか」ということを監督は言っている。彼らの冒険は他のジュブナイル物と違ってとても血生臭く、暴力に満ちている。その結末もとてもシビアで、彼らは本当に冒険に出てしまったがゆえにそのツケを払わされるのだ。強烈な展開とキレの良さに唸らざるをえない。

一見するととても単純なB級映画に見えてしまうのだが、そんなことは決して無く、とても考えられて素晴らしい一作だったと思う。カーチェイスや銃撃戦もあり、ハラハラさせる銃猫写もあり、ジュブナイル要素とホラーの絶妙なバランスの上に立っている面白い作品だった。
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