Kevin

ザ・サークルのKevinのレビュー・感想・評価

ザ・サークル(2017年製作の映画)
3.5
世界有数のSNS企業〝サークル〟。
そこに晴れて入社した新入社員のメイ(エマ・ワトソン)は、ある出来事がきっかけでサークルの“24時間をシェアする”という企画のモデルに抜擢される。
するとあっという間に莫大な数のフォロワーを集めたメイは、全世界から圧倒的な人気を博していくが...。

そこまで評価高くはないみたいだけど、あまり悪いようにも感じなかった。

まず何よりも始めに言いたいことは

「エマ・ワトソン可愛すぎッッッ!!!!!!!!!!」
はい、スッキリした。

本作は現代僕らの身近にあるSNS社会の光と闇を題材にした作品だ。

日本版ポスターの“いいねのために生きている”は毎度お馴染みの要らない言葉。
...なのは置いといて。

エマ・ワトソン演じる主人公メイは、あるきっかけにより自らの毎日を全世界にシェアすることとなるのだが、その過程がなかなか興味深かった。

人間、何か自分が正しいと思ったことには“間違っている”という意識が及び難く、盲目になってしまいがちだ。
本作のメイが正しくそれである。

彼女がいとも簡単にどっぷりとSNSに浸っていく姿はどこか怖さを感じる部分もあった。
可愛すぎるけど。(大事なことなので2回)

だが一番の厄介者はトム・ハンクス演じるベイリーだろう。
なんというカリスマ性、というか天才、というかプレゼン力高すぎ。
その上愛想も良く、自分が社員だったら間違いなくついて行っちゃう。笑
こういう感じのおじさん大好き。笑

しかし彼の掲げる理想は明らかに危険を帯びている。
“秘密はウソだ”と彼は言う。
持ち前の圧倒的プレゼン力で。

それは少し違うのではないか。
〝秘密=嘘〟ではなく〝秘密にしたいから嘘をつく〟、つまりあくまでも嘘は秘密にするための手段の一つでしかない。
そして秘密にすることが全て嘘と結び付く訳でもない。
秘密にすべきことだって沢山あるだろう。

だが〝秘密=嘘〟と信じ込む彼は〝シーチェンジ〟というカメラを生み出してしまう。

このカメラに顔が映っただけで個人情報がパッと出る。
そんなカメラが至るところに設置されている。
しかもそのカメラを全世界の人が見れる仕組みだ。

こうした〝世界の透明化〟が如何なる不正や犯罪を防ぐと言う。

確かにその通りかもしれない。
周りから見られることによって人々は繋がり、責任感が生まれる。
だがこの透明化は絶対防御のように見えて、実は諸刃の剣に思えるのは自分だけではないはずだ。

しかしそんな技術的なことは正直どうでもいい。
もっと人間的な場所に問題があるだろう。

人々のプライバシーとは何なのか。
プライバシーを守られる権利とは何だったのか。
知る権利が前に出過ぎていないか。
これでは個人の自由がどんどん限られていくのは目に見えている。

悪いことをするような奴はどんな状況でも必ず悪さをする。

プライバシーを無にすることで犯罪を減らすよりも、犯罪があってもプライバシーを守る世界であってほしい。
国民あってこその世界だと思うから。

ズバッと一言、劇中の言葉を借りると
〝技術では解決出来ないこともある〟ズバッ!

一応本作のマイナス点を。

全ての情報を管理するツール、至る所に仕掛けられるカメラ。
これらを国民がすんなりと賛同し、瞬く間に世界に広がっていくことが、リアリティを欠いているように思えた。
自分なら絶対反対する。笑

ラストも少し弱いように感じたかな。

と言ってもSNSを扱った一つの作品として、個人的には普通に楽しめた。

あと最後に一つ懺悔があります。
“24時間をシェアする”という言葉にエマ・ワトソンの入浴シーンを堪能出来るかもしれない!
と一瞬でも思った僕を神様どうかお赦しください!

あ、個人的にはカレン・ギランにMVPをあげたい。

そしてビル・パクストン、どうか安らかに。
Kevin

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