ベルサイユ製麺

ザ・サークルのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

ザ・サークル(2017年製作の映画)
3.2
♪エマちゃんの〜
ちょっといいトコ見てみたいー!
👏 👏 👏
👏 👏 👏
👏 👏 👏
はい、イッキ!イッキ!イッキ!…

♪ハンクス飲むーぞ、ハンクス飲むーぞ、ハンクス飲むーぞ!3秒で飲むぞ!3、2、1!
…的な、吐くために飲んでるような××サークル(テニス同好会など)の話ではありません!死ね!貴様らには地獄すら生ぬるい!!言い過ぎた!


…ミステリーサークルがイタズラだと知った時も、スカイフィッシュが羽虫の飛ぶ軌跡だと判明した時も強い衝撃を受けたものです。獅子舞に人が入っていると知った時、サンタがママにキスをした時も…。
携帯デバイスの普及によりひとり一台以上のカメラを手にし、それがネットワークで際限なく繋げられると慣れば、最早この世の中に秘密にしておける事なんてないんじゃないか…? ビシッ!!…今ベルトを輪にして素早く引っ張りました。いい音!

知人のツテで超巨大なテック系企業“サークル”に入社することになったマーサ(エマ・ワトソン)。“サークル”とは同社が手掛けるSNSの名称でも有り、このサービスは漏れなく全ての人々を、凡ゆる面で繋げてしまう事で、更なる豊かさを享受する事を理念としています。…表向きは。
頭の良さとルックス、そしてフレッシュさでサークルの首脳陣の目に留まったマーサは、サークルの手掛ける新サービス“シーチェンジ”のスポークスマンに抜擢されます。超小型カメラを身に付けて、24時間衆人環視の状態での生活。ゆくゆくはありと凡ゆる場所を、いつでも誰でも見る事が出来る。素晴らしい!…表向きは。

自分は目の前の人間とのコミュニケーションも億劫なくらいなので、SNSの類は情報収集のために覗き見するだけでして、なのでSNS中毒みたい人がどんな目に遭おうと知ったこっちゃ無いのですが、今作で描かれてるのはその一歩先。SNSに参加していない者も監視する社会への警鐘であります。
…いや、そうなるでしょ。というか、もうなってますよね。皆んなが勝手に“自己”の範囲を拡大して、進んで個人情報を提供しあう、自律管理型のディストピア・ナウ!ですよ。
10年遅い、とまでは言いませんが2、3年後には異常に古臭く感じられるそうです(準新作で観てる方が悪いのだが…)。あと、全体的になんかライトな感じがしますなぁ。劇伴が、恐らく“テクノロジーの脅威”を表現したいのでしょうが、一周回って寧ろ“70年代のネイチャードキュメント”みたいになってるのが可愛らしかったです。

見所。
⚫︎サークルのキャンパスが、噂に聞く某リンゴマークの会社そっくりです。…想像ですけど。
⚫︎トム・ワトソン、いやトム・ハンクスが演じるサークルのCEOが、兎に角それっぽい。自信満々で、人当たりが良くて頭が良い。“実は精神的に問題がありそうな”大人物を見事に演じてみせています。
⚫︎エマ・ワトソンは、魔法で他人の若さを吸い取っている。

原作者さんが、『王様のためのホログラム』の方らしくて、「なーにをそんなに未来を怖がってるんだ、そもそも希望なんて有るわけないだろ」とか思っちゃいましたね。往生際の悪いことですな。明るい未来など何処にも無い!ビシッ!!…今、顕微鏡のプレパラートが割れました!ビックリしたぁ〜。