鍋レモン

ザ・サークルの鍋レモンのレビュー・感想・評価

ザ・サークル(2017年製作の映画)
2.6
⚪概要とあらすじ
『美女と野獣』などのエマ・ワトソンがトム・ハンクスと共演した、巨大なソーシャル・ネットワーキング・サービスがもたらす脅威を描くサスペンス。

世界一のシェアを誇るSNS企業「サークル」に勤めることになったメイ(エマ・ワトソン)。サークルの経営者ベイリー(トム・ハンクス)は、オープンでシェアし合う社会を理想としていた。ある日、新サービスが発表され、メイは自らの24時間をネットワークで全世界に公開するモデルケースに選ばれる。すぐさまメイは1,000万以上のフォロワーに注目されるようになるが...。

⚪キャッチコピーとセリフ
“「いいね!」のために、生きている。”
“あなたの24時間を、一千万人が観ているとしたら。”

「シェアはケア」

⚪感想
フライヤーが可愛くて公開当時に気になっていた作品。

フィルマのスコアは高評価と低評価と極端だったからどうかなと思ったけどかなり酷かった。

思っていたのと違う。
予告、パッケージ詐欺。

予告やあらすじにあった「全世界に自分の24時間を公開する」みたいな内容が58分くらい経ってからやっと始まる。
それまで長いし、つまらないし、そこから短いし、つまらない。

“「いいね!」のために、生きている。” っていう本作のキャッチコピーをつけた人は映画を観ていないか話題性を求めて、今のネットでのあり方に寄せた気がする。
承認欲求や自己顕示欲がどうのこうのの話はなく、「いいね!」も関係なかった。
逆にそのキャッチコピーの内容にした方が現実的で面白かったのではと思うぐらい。

もう1つの“あなたの24時間を、一千万人が観ているとしたら。”っていうキャッチコピーも本編の少しの間の内容だったし。

キャッチコピーも映画を観る上で結構重要だと改めて感じた。

トム・ハンクスとエマ・ワトソンが出演しているのがもったいない。
それでもこの2人が出演していなかったらスコアは2.0以下の可能性も。

会社のブラックさとそこで働く人が意識高い系なのが観ていてぞわぞわする。ほぼ宗教。
強制じゃないけど出なきゃ行けないイベントの言葉の圧がね。

自分のアカウント作ってランキング方式で評価されるやつ結局紹介されただけで特になんも起きないっていう雑さ。

インターネットの力によるプライバシーや個人情報の危険性みたいなのは百歩譲って分かるけど、現実味は皆無。
『ワイルドスピード SKY MISSION』の「ゴッド・アイ」は受け入れられてもこの作品の「シー・チェンジ」は説得力に欠ける。

これを観てインターネットやSNSの危機感は感じない。

えっここで終わるの!?って言うようなモヤモヤが残るラスト。

エマ・ワトソン演じる主人公のメイはなんだかんだ真面目だから映画の中での行動は理解できる。一方で、友人のカレン・ギラン演じるアニーが急にメイに冷たい態度取るのがなんかなぁ。自分より目立ってとかいいポジションにみたいなので僻んでるっぽいけど納得がいかない。

アーサーもアーサーでメイの投稿から鹿殺しって批判されているって言ってたやつ八つ当たり気味では。メイが「鹿殺して作ってるみたい」ってツイートしたなら分かるけど普通に可愛いと思って写真撮って上げただけなのに。
鹿の角のシャンデリアに鹿殺しって言う奴もイカれてると思うけどアーサーもアーサーで「鹿の角は生え変わるし普通に落ちてますよ。」とか言えばスッキリするけど、そこのシーン中途半端なだからね。

タイ役のジョン・ボイエガの要らなさ。

エマ・ワトソンは可愛かったけど本作でゴールデンラズベリー賞にノミネートされた気がする。私が観てるぶんにはそこまで酷く感じなかったけどどうなんだろ。

このテーマならもっと作りようがあったような気がして勿体ないというか複雑。
批評家の「当世風のテーマをだらだらと無目的に掘り下げただけの作品になってしまった。」
という言葉がそのまま当てはまる。
原作は面白いかもしれないからいつか読んでみたい。



⚪以下ネタバレ



親はセックスするならベットルームにあるシーチェンジを移動させるっていう考えはなかったのかな。

⚪鑑賞
GYAO!で鑑賞(字幕)。
鍋レモン

鍋レモン