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ザ・サークルのsumiccoのレビュー・感想・評価

ザ・サークル(2017年製作の映画)
3.2
『全世界の人間が
 秘密を何ひとつ持たなくなったら?』

って
映画を観ながら
想像してみたんですけど
個人的な結論としては
意外とそんな変わらないような気が…


この映画では
民間IT企業に勤めるメイが
あることをきっかけに
自主的な"トゥルーマンショー"を実施して
四六時中、全世界の人に見られることで
秘密の全くない生活、つまり、
透明化のなんたるか、を伝えていきます。

でもこれ、
一人だから注目されるのであって
全世界の人間がやることになったら
最終的には
見てくれる人がいなくなりません?(笑)

今、あの全部映すカメラを
家中、身体中に設置しろって言われたら
やだやだやだ!!ってなりますが。

あたしがやるのと同時に
嵐の5人と
綾瀬はるかさんと佐々木希さんと壇蜜さんと
トランプ大統領と北のドンと
エマ・ワトソンもやります、って言われたら。

…なんか怖くない(笑)

だってあたしが視聴者なら
絶対あたしの生活なんか観ないです。
ええ。

めちゃくちゃ退屈。
ノー刺激。
見られちゃう、って
恥ずかしがることすらおこがましい(笑)


作中で
すべてを透明化すれば
悪事ができなくなるって主張がありましたけど
むしろ
すべてを曝け出しているにも関わらず
誰にも注目されもしないということが辛くて
派手に不倫してみたり
コンビニ強盗ぐらいならやりかねない人、
出てくると思うんだなあ(笑)


しかも、
こちら側も観たいもの、観たくないもの、
知りたいこと、知りたくなかったことが
自由には選べませんからね。

ただでさえ私生活の悩みがあるのに
情報過多で頭がパンクして
視聴からリタイアする人続出しそう。

絶対に知られたくない秘密を持つ人たちは
なにがなんでも裏をかくシステムを
独自に開発するでしょうしね(笑)

だから結局
透明化世界の行き着く先は、
そんな劇的に違う世界にならなさそう。


という私見はさておき、
映画としては、うーん。

設定はすごくおもしろいんですけど
あそこまで大きい企業の新事業の進め方、
あんな博打なことしないと思うんですよ。
むしろドラマ化して
人権との兼ね合いをうまく運んでいく過程まで、つぶさに描いてもらったほうが
リアリティあったかなあ。

トム・ハンクスの
珍しい役が見られたことは◎。
あの役がトム・ハンクスでなきゃいけなかった理由は…

不透明(笑)
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