nina

ザ・サークルのninaのレビュー・感想・評価

ザ・サークル(2017年製作の映画)
3.0
『未来は待ってくれない』

これ観終わって感じたのが「怖い」っていう恐怖心。現実がどんどんこの世界線に近づいてる気がする。

そもそもSNS無しではもはや生活不可能になってきたこのご時世。既にたくさんの監視下の中で生活しているにも関わらず、目立った不満もなく“監視”という概念すらない人もたくさんいる。
何かあればTwitterインスタに書く、秘密を自分だけのものにできず、他者と全て共有することになんの抵抗もない人が多い。
サークルの始まりに近い気がする。
週末は何してたの?親が病気ならどうして周りに話さないの?あなたは謎だらけだからみんなが興味を持ってる、コミニュケーションも仕事の一環よ。なんて言われてたけど、こんな生活が続くのはすごく疲れる。

ストーリー的には憧れのSNS企業に入社して会社に持て囃されるまま、自分の全私生活、全瞬間をオンラインで常に放送する生活になった主人公が、次第に企業の闇の深さに気づくって感じなんだけど、
そこまで会社を「悪」として描いてないのがキモかな。完全にSNS=悪として描いてないからなんとも言えない気持ちになる人が多いのかも。
観てて思ったのは、この主人公には主体性がない。友だちに面接の段取りしてもらったから、会社に言われたから、不信感を持った時に同じく会社に不信感を持つ人に背中を押されたから。全部他人任せに感じた。だからこそ中盤での悲劇が生まれたんじゃないかなと。
要はSNSも扱う人のモラルや性格により便利なものにも邪悪なものにも変わる、って感じがした。最後もタイの思惑のようにも感じたし。

他の方のレビューで、サークルの掲げてる旗が日の丸と似てたって書いてて更にゾッとしたな…。
近い未来こんな世界になりそうだなと嫌気がさしてきました。
nina

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