海風

光のノスタルジアの海風のレビュー・感想・評価

光のノスタルジア(2010年製作の映画)
4.3
「真珠のボタン」という作品を先に観たんだけど、その映画のレビューの多くが「'光のノスタルジア'を観てから見に来ました。」だった。それからこの映画を知り、昔から自然科学が好きな私はこの映画がとても楽しみでした。

序盤の映像から好きでした。
初めて知ることが沢山転がっていて、学ぶことばかり。そして、何より神秘的。関係ない遠い裏側の話のようだけど、この地で暮らしている私も一つの生命なんだと感じることさえできた。壮大だけど、生の時間というものを体感したような気分。

天を見上げ銀河を探す人たち、地に向き合って砂漠を掘り行方不明になった家族の遺骨を捜す人たち、そんな対照的な人々が同じアタカマ砂漠でそれぞれのものを追い求めている。
現在について語ってるシーンがとても好きでした。「現在は存在しない。正確に言えば、自分の意識の中だけのはかない一瞬の話。」なんて言ってて、つまずいて苦しい今があったとしても、もう既に過去になっているんだと思うと世の中そんな難しく硬く生きなくていいんだろうなーって思った。思えた。
ぜひチリに訪れてみたい。観光地を巡るツアーではなく、この目でこの足で踏み入れたい触れたいものがこの映画のおかげで生まれました。
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