幼い息子を父親とその親友が、カルト教団から取り返し逃亡するが…。教団もその子供の秘密を必要としていて再び奪おうと必死に３人へと迫って来る。アメリカとギリシャ合作のSFサスペンス。
各国の賞レースを騒がせ新鋭気鋭と名高いジェフ・ニコルズ監督作。傑作と名高い「mud」も「テイク・シェルター」も私にはハマらなかったので不安しかなかった…。
予備知識無しで観たのでカルト教団との戦いを描いたリアルな現代劇かと思っていたら、途中からしっかりとしたSFにシフトします…。流石に新鋭気鋭と言われる監督さんだけに普通の映画は撮らないですね。
ピリピリした緊張感がありながらも静かなオープニングは物語にグッと引き込まれました。きっとこの３人には壮絶な困難が待ち受けているんだろうなぁという想像が出来る効果的な導入だったと思います。始まりから中盤までは面白かったのですが、SFにシフトする頃から少し付いて行けなくなりました。ゴーグルの秘密とかが明らかになる頃はもう完全なSFというかファンタジーで冒頭のようなハードボイルドなお話しを期待した私は激しく動揺(´・ω・`)
最初からこういう映画と分かっていれば動揺する事もなく楽しめたのだろうと思います。ドキュメンタリータッチに描いたり色々な演出を試みていて意欲作なんだなぁという印象。秘密を抱え天真爛漫な息子と息子の能力に戸惑いながらも厳しく見守る父親と寡黙ながらも優しく親子を守る親友の関係性が味があって面白い。
ミステリアスな前半は非常に面白いのですが、謎がハッキリしてくるにつれて失速する印象。といっても明らかになる謎はほんの一部で謎残し半端ない。現実とファンタジーな世界の垣根が曖昧でどうもしっくり来ない…。それでも本来なら私の苦手な映画なんですが、ながら視聴もせすに最後までなんとなく観てしまった映画なので不思議な魅力はあるのだろうなと思います。音楽は映画に合っていてスゴく良かった。
