TaichiShiraishi

LBJ ケネディの意志を継いだ男のTaichiShiraishiのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

今年は政治家の話多いな。


この映画も間違いなく現トランプ政権と比較させて問題提起する映画だろう。

ケネディ暗殺によって期せずして大統領になってしまったジョンソンだが意外にも手腕を発揮していく。彼は長年の政治家や院内総務としての手腕を発揮して根回しをし、政治家達や国民の心にも訴え、ケネディの意志を継ぐだけでなく自分の使用人など身近な人のためというところから始めて、保守的な南部出身ながらアメリカを改革して行った。

民主、共和党の仲を取り持ち、人種平等を推し進める公民権法案を通し国内での対立を解消して行った。福祉を拡充し、そしてベトナム戦争が泥沼化すると責任を取って潔く退任。史上唯一再選を狙わなかった大統領。

一方トランプはまずは大統領になるのが目的でポピュリズムを駆使して、排他的発言を繰り返し国内を分断。
元々お金持ちでリベラルな地域出身でキリスト教も信じてないのに保守的なキリスト教右派の票が欲しいというだけで、アメリカや世界を見ずに保守層やお金持ち仲間だけを優遇。

前任者オバマのやってきたことを潰して、中間選挙でも再選する気満々で自身も演説やSNSで問題発言を繰り返している。

ジョンソン大統領がリンカーンの奴隷解放から更にアメリカを自由の国に発展させたのに!っていうロブライナーの思いがあったのかな。

ウディハレルソンは相変わらず素晴らしい俳優。無骨ながら実力もあり誠実なだけではなく清濁併せ呑んだ人物像を見事に作り上げている。喋りの訛りとかもチャーミング。

ロブライナーらしくシリアス過ぎない軽快なタッチで重大事件と大統領就任劇、公民権法案を通すまでをわずか100分ほどで描ききっており、さすが。

ケネディ兄弟役の人たちもやたら似ててびっくりした。ちょっと若く見えすぎな気もするけど。

事態に冷静に対処して、一人一人の国民のために政治ができる人が求められる。岩盤に穴を開けたジョンソン大統領はもっと評価されるべき。
TaichiShiraishi

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