まっどまっくすこーじ

ゾンビマックス!怒りのデス・ゾンビのまっどまっくすこーじのレビュー・感想・評価

5.0
≪生きるために狂え!!!!!!!≫

満点です!!
いや、私もトチ狂っていると思われるだろうなぁ…とは分かってますよ。
でも満点です。


正直言って観始める直前まで、まあ突っ込んで笑って下さいよ、という作りの映画なのだろうと高を括っていました。

ところが開始早々、冒頭のアバンタイトルシーンで「いや、これは思っていたのとは違う…」と気を引き締めました。

タイトルがドーン!!と出て、冒頭より以前の話からストーリーに入っていきます。

ある日突然、大量の流星群が降り注ぎ、人類はゾンビ化してしまいます。
でもある理由でゾンビ化しない人達もいて、生き残るためにゾンビと戦う…
と、話の骨格としてはごく普通のゾンビ映画なのですが、ゾンビの持つ特徴などに斬新なアイデアが見られます。

あ~、その内容を書きたい… でもネタバレボタン押して書くのも嫌だ~!!(>_<)
何故なら皆さんに先入観なしで観て頂いて欲しいから~♪(≧∇≦)

とにかくテンポが良いです!!
98分という尺を無駄なく使っていて、細かい説明は省いて、あえてなんじゃそりゃ感を残しつつ、中弛みさせずに観客を引っ張っていく微妙なバランス感覚が素晴らしい。
観る側に立って作っているのが感じられて、自慰行為的拘りに陥ることなく仕上げていると思います。

回想から現在時点になり、さあこれからゾンビと戦争だ!! というところで冒頭のシーンに繋がり、スピード感がアップ!!

この手法自体はよくありますが、本作はこれが凄くカッコ良かった。
特に奇を衒う訳でもなく、雰囲気で主人公達の決意を表現していると思いますし、これでカッコ良く見せてやろう、というようなわざとらしさも感じませんでした。

主筋に主人公のバリー。
説明はないけどたぶん大工さん。
仕事道具で戦うぞ!!
戦う男たちは完全武装するぞ!!
DIYで武器も作っちゃうぞ!!

副筋にバリーの妹のブルック。
説明はないけど身体能力が高い。
男勝りの気の強さ!!
だけどイカれた博士に捕まっちゃう…
人体実験されちゃうぞ(°Д°)

そして主筋と副筋が交差したとき、ゾンビ映画からまた違うテイストの映画になってさらにヒートアップするという、全く飽きさせない映画でした。

シリアスになるはずのシーンなのに笑いを誘う演出。
観客全員が笑う時もあれば、いろんな所でバラバラに笑い声が聞こえてきたりと、笑いのツボにもバランスをとっていてセンスが良いと思います(^-^)

オマケに日本をリスペクト(?)してくれているシーンもありますよ!!(*^^*)


原題は「Wyrmwood:Road of The Dead」。
Wyrmwoodというのは聖書の黙示録に出てくる、地上に大厄災をもたらす天使(または隕石)の名前。

邦題は何故「ゾンビマックス! 怒りのデス・ロード」になったのか?

そりゃもう本作は「マッドマックス」ミーツ「ゾンビ」ですから!!


ここで閑話休題。

タイトルにマッドとかマックスがつく作品は結構多いですよね。

それで、今まであまりにもパチものが横行したために、「どうせまたマッドとかマックスってタイトルにつけてりゃ観る奴がいるはずだと思って作られた映画なんだろ」という先入観を持たれる方が多いと思います。

例えばマッドマックスのような世界にゾンビを組み合わせた映画なら、昨年出た「マッド・スピード」というのがあります。

まあ、アサイラム社お得意の低予算便乗映画でして、パチもの専属の監督がそこいらの役者を使ってチャッチャッチャっと撮ったに違いないのですが、これも原題にはマッドもマックスも入ってないんですよね~(>_<)

しかもさっき確認したら、またまた原題にマッドもマックスも入ってないのに「マッド・スピード2」というのが出るということで、絶対に映画ファンをナメきっているに違いないと確信しましたね。
と言いつつ、それを最初にclip!したのは私ですが…( ´゚д゚`)アチャー

逆にタイトルにマッドとかマックスがなくても、その世界観でマッドマックスファンが喜ぶ映画もありますよね。
前回レビューした「ターボキッド」は正にそういう作品でした。

本題に戻ります。


さて本作はマッドマックスのネタが目白押しなこともありますが、それを本当にリスペクトしつつパロディとしても使い、そこに斬新なアイデアのゾンビをブチ込んで新たなヒャッハーを造り出すことで、今までのパチもの映画を遥かに凌駕して、予算をかけたハリウッド作品に決して負けていない、良質なオーストラリアムービーとして成立しているのであります!!

それを少しでも多くの人に観てもらいたいという思いで売り込みたかったら、今回の邦題は正解だと思います!!
(実はフォロワーさんの彼女さんが配給会社にいらっしゃるらしく、その彼女さんが邦題を考えたらしいというのは内緒です(^-^))

とにかく、タイトルがマッドマックスに寄せている映画で、初めてこのタイトルで正解だと思った作品でした。

あ、日本版ポスターのデザインも秀逸ですよ!!
あと、レビューの冒頭に書きましたが「生きるために狂え!!」というコピーは最高!!(≧∇≦)
本作のテーマを見事に表している傑作コピーだと思いますよ!!

このポスター画像は印刷物でもあるのだろうか… チラシがこれだったのかなぁ?
私が観に行った日にはすでにチラシはなかったからなぁ…
あ~、これのポスターがあったら額に入れて飾っておくのになぁ…(笑)


さて、いろいろ調べてみると…

まず驚くべきは…本作のほうが「MADMAX/怒りのデス・ロード」より製作開始も公開も早いのdeath!!

えぇ~!! ということは、あのシーンはパクリではなくてこっちがオリジナル…!?( ̄□ ̄;)

ネタバレが嫌なのでどういうリスペクトシーンがあるのか書きませんが、マッドマックスのネタはふんだんに盛り込まれております。
その中で「怒りのデス・ロード」のものはパクリではないとすると…( ̄□||||!!

この謎は面白いので今後も追いかけてみたいと思いますが、なんと本作の続編も決定!!

本作を作ったのはキアとトリスタンのローチ=ターナー兄弟とそのお友達。
劇中にもDIYな武器とかゴロゴロしているのですが、映画の製作自体がDIYみたいなものらしかったようdeath!!

それでもいわゆるチープ感を極力出さないように作っているのには驚きを禁じ得ません。
その代わりに製作には3年半もかかったということdeath!!

脚本は兄弟で書き、監督と編集をキアが、製作と美術をトリスタンが担当したそうdeath!!

そして兄弟にとって初めての長編作品が本作となったわけdeath!!

それから撮影の人もお友達だと思いますが、個人的にこの撮影のセンスは好きですねぇ~♪(*´ω`*)

ときどきハッとさせるアングルやカメラワークがあったり、色味の彩度を抑えて硬質な画にしたりと、モダンな感じがグッドdeath!!

ただ、たまに目や顔からピントをずらすことがあるけど意味があるのかわかりません。
でも格好いい絵面を計算して撮っていると思います。

役者はもちろん知らない人ばかりですが、主人公のバリー役のジェイ・ギャラガーとバリーの妹にしてヒロインのブルック役のビアンカ・ブラッドリーの演技は良かったですよ。
特に終盤のブルックはカッコいいぞ!!

あとはイカれた博士と特殊部隊の隊長がなかなかグッドdeath!!


久しぶりにヒャッハーな映画に出逢ったので私のハート様が収拾つかない状態death!!

本作を配給して頂いた方々に感謝!!(*´∇`*)

だけど本作は「未体験ゾーンの映画たち」でだけの上映…やはりもったいない!!

全国ロードショーは無理でも、各地の名画座などで上映してもらえたら嬉しいのですが…

本当にたくさんの方々にご覧になって頂きたい作品です~♪(*´ω`*)

もしも、私が勧めたから観たけど全然面白くなかったぞ!!というお怒りを持たれた方はフォローを外して頂いて構いませんので…
そのくらいの責任は持ってお勧めいたします!!

生きるために狂え!!!!!!!

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今回、私は初めて「未体験ゾーンの映画たち」を弟のTAK44マグナムと一緒に観に行ったのですが、もしつまらなかったら嫌だなぁ…と思いまして、つまらなかった時の道連れに、本作はChiyokoさんを、本作の前にもう1本観たのですがその映画は片腕ふぁるこんさんを無理やり引っ張ってきて一緒に観てもらいました(^o^)
Chiyokoさん、本当にありがとうございました~♪(*´ω`*)

もう1本は次にレビューいたします~!!( ̄∇ ̄*)ゞ