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殿、利息でござる!のnamieのレビュー・感想・評価

殿、利息でござる!(2016年製作の映画)
4.1
仙台藩からの毎年の重税により夜逃げも後を立たない吉岡宿。このままでは近い将来にお取り壊しとなると十三郎は村一の切れ物篤平治に相談する。篤平治が冗談半分で思い付いたのは重税を課す藩に逆に借金をさせるという逆転の発想であった。

基本的にはコメディ調で進む物語に、主人公演じる阿部サダヲとその相方瑛太のフワフワとしたなんとなくいかにも"日本映画っぽい"やり取りは日本人たる自分の身体にスルスル吸収されるポカリスエット(?)
十三郎と父や弟との関係性はかなり丁寧に描かれており、過去のわだかまりやかつて父から学んだ教訓などの伏線は作中でも精密に、しっかりと説明されるのは流石日本車の国。
どれだけ多くの人間の為になる善い行いを為しても、決してひけらかさず、あくまで自分のためにやったんだという姿勢を貫く百姓達はまさしく日本的な「粋」の文化であり、西洋的な善い事を大々的に取り上げ、全員で肯定する文化とも違う、奥ゆかしい快さを感じる良い作品でした。
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