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殿、利息でござる!のあらたのレビュー・感想・評価

殿、利息でござる!(2016年製作の映画)
4.1
藩の命じる労役に苦しむ宿場町が、藩にお金を貸すことで苦しい現状を打破しようとする。

阿部サダヲ主演なのでいつもの軽いコメディかと思いきや、時代考証がしっかりしていて役者も演出も抑制の効いた、ほどよい重みの映画だった。肩は凝らないけど騒がしくもなく、ニュートラルな気持ちで見られる感じ。
違う立場、思惑の人が一つの目的のために少しずつチームになっていく姿が爽やかで、自然と応援したくなる。

その一方で、登場人物が基本的に“良い人”ばかりで、甘い世界観だとも感じた。もう少し妨害する人とか私利私欲に走る人が出そうなもんだけど…
また、ちょくちょく入るナレーションとテロップで設定を全部説明するのは、ちょっと観客に親切すぎ。たしかに分かりやすいけど、物語から意識が逸れる。

役者では妻夫木が難しい役を好演。彼の演技で「聖人レベルの良い人」が嘘くさくならずに済んだ。
羽生結弦は出さないほうがよかった。話の元凶なのに羽生くんが演じてるから悪くも描けず、中途半端なキャラになっていた。
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