Angeprunelle

殿、利息でござる!のAngeprunelleのネタバレレビュー・内容・結末

殿、利息でござる!(2016年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

“子々孫々に至るまで上座には座らず末席にて慎む覚悟”

“日の目を見ない貢献”

“道では端を歩く”

人や動物への優しさや思いやりや愛は
国や時代によってこんなにも形を変えるんだな。

現代の日本で生きる私にとっては
多少偏ってる思考だなと思う部分もある。

「慎んで」という言葉が何度も使われていたのが印象的で
これもまた日本の一つの美学であり
多少厄介な部分でもある気がする。

今の時代にこの人達のような生き方を引き継ぐのは
なかなか難しい。

この時代の美徳と今の美徳は全く違うし
何をもって優秀と評価されるかも全く違う。
時間の流れる速度なんて全くもって違う。

けどだからこそより美しく思えるしクールだなと思う♡

映画の8割は資金集めに奮闘してるだけなんだけど
それだけで十分人情物語になるんだから素敵♬

現代は大量の時事ニュースがとんでもないスピードで
次から次へと目の前を素通りするだけで
一つの事柄にみんなが真正面から向き合うことや
一人の人や動物に想いを馳せることの充実感を
完全に忘れてしまっている。
もしくは知らない。

だからこそ一つの物事にゆっくり向き合う時間が持てる
この時代の速度が私は好きだし羨ましい。

不便や不幸を最先端技術で解決しようとする平成。
不便や不幸を人の心でなんとか乗り越えようとする明和。

現代に佇む穀田屋酒店。
なんか泣けちゃう。

この佇まいに全てが凝縮されているように感じた。

濱田岳さんのナレーション心地良かったです♬
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