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殿、利息でござる!のSUIのネタバレレビュー・内容・結末

殿、利息でござる!(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

そのタイトルから、殿に貸した金の息金を苦労して取り立てする話かと思っていたら、そもそも貸す金を集めるのに東奔西走する話だった。

この映画を観ていて思ったのは、演出が洗練されていたところ。
洗練されていたといっても、奇抜さや斬新さが見られるわけではない。ごく一般的な、時代劇で見られるいささかオーバーな演出方法をとっていながら、それが嫌味にならないようにうまく表されている。下手をしたらわざとらしくて鼻白むところだが、そうならないギリギリの塩梅がなんとも秀逸。
特にそう思ったのが、クライマックスで殿が予告もなしに突然挨拶に来たとき。みんな頭を下げた状態のまま、まるで引き潮のように速やかに下座に引き退るところ。
なんてことないシーンなのに、臨場感というか説得力が凄った。

また、今作が実話で登場人物も実在したとラストで現在の酒屋を写したのも演出としてよかった。

クライマックスで羽生結弦が殿役で出てくるけど、全くの素人のはずなのになかなかの迫力で、その存在感の凄さを認識した。
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