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殿、利息でござる!のエイデンのレビュー・感想・評価

殿、利息でござる!(2016年製作の映画)
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1766年、仙台藩吉岡宿
造り酒屋を営む穀田屋十三郎は、町を訪れた代官へ直訴状を渡そうとしていた
宿場町間の物資輸送を行う“伝馬役”を命じられていた吉岡宿だったが、仙台藩の直轄領ではないことから、その際にかかる費用の全てが百姓に課せられており、それが原因で人々は困窮、破産や夜逃げが相次ぐほど人々は苦しい生活を強いられていたのだ
そんな人々を見捨てられず、十三郎は処罰覚悟で代官の前へと飛び出すが、すんでのところで京から帰ってきた知恵者の茶師 篤平治に止められる
未亡人のときが営む煮売屋“しま屋”で、十三郎は篤平治に事の重大さを相談
十三郎は自身も実の弟で造り酒屋と質屋の主人を勤める甚内から借金をしており、その利息が高いことからも先行きが見えぬと落ち込んでしまう
それを聞いた篤平治は、利息という言葉から思いつきの案を語り始める
それは吉岡宿の皆で協力して銭を集めて仙台藩へと貸し付け、その利息を伝馬役の費用に充ててしまおうという思いもよらぬ奇策だった
千両を貸せば毎年百両もの利息がつくという起死回生の案ではあったが、元となる大金を用意するあてもなく、そも百姓から藩が銭を借りるなど到底思えず、現実的でないと篤平治は自ら忘れてくれと話を流す
ところが翌年になり、篤平治の元へと訪れた十三郎は、あの奇策を実現させるために動き続けていたことを話す
本格的に銭と同志を集め始めた2人は途方も無い賭けに打って出ようとしていた



18世紀に吉岡宿で起こった町人たちの記録を基にしたコメディドラマ仕立ての伝記映画

原作ともなった評伝『穀田屋十三郎』の著者 磯田道史に曰く“庶民の忠臣蔵”の物語
藩という強大な体制を相手に、武力ではなく知恵を使って立ち向かうという胸熱のストーリーが光る

資金繰りやら有志集めやら、やってることは地味ながら、くすりと来るコメディ描写やドラマ描写で魅せる構成も良い

判官びいき的に応援したくなること間違いなしの、庶民達のを武器にした大逆襲!
時代劇苦手な人も観やすいので観ましょう
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