Yuya

或る終焉のYuyaのレビュー・感想・評価

或る終焉(2015年製作の映画)
3.7
相変わらずの“怪優”具合を ここでも存分に見せつけてくれるティム・ロス
そんな彼のクセのある演技に輪をかけて 難易度の高いドラマを仕立ててくる監督もまた 相当厄介なお人なんだろうなぁ

人の命の終末 死生観について存分に考える猶予を経て 彼らに寄り添う仕事の尊さを丁寧に捉えながら 物語は緩やかな弧を描くように 徐々に観客の倫理観を崩し始めてゆく

いかんせん 主人公の人物像が捉えづらいのは 彼の過去のトラウマには一応のスポットが向けられているのに対し 現在の目的の方向に関しては 観る側に視点を定める事さえ禁じるかのように 全く明確な提示がないからか
ただただ 時に家族や遺族に対する 時に彼自身に対する不信感 どことなく漂う違和感
そして 唐突なカタチで打たれる終止符

うーん 人の命や人生にどんな意義や理由を見出しても どれだけ美徳や美学を問うても説いても この心も意識も ある時点で突如にして暗闇に消え去るものなのかも…なんて考えると無性に恐怖を覚えるし
身近に肌で感じる機会がある度に 自身もその終末に日々近づいているコト
否 誰もが生まれながらに そこへと向かって歩いてる事実を 考えずにはいられないんだなぁ