患者の身体を拭くシーンや、患者がただボーっとするシーン、ジョギングシーン、ひとつひとつを目の前で見ているかのようにやけにリアルなのは、ドキュメンタリーかと思うほど自然な長回しだからか。デイビッドは人間として本当に出来ている。末期患者ひとりひとりと家族のように関係を構築していくし、実際に他人には自分の患者を自分の妻や兄と言うし、向き合い方が半端ない。だからこそ次々に最期看取るのは辛いよ……。そしてラストシーンの衝撃ったらない。悲しくてやるせなくて仕方なくなる。淡々と進むけれど、目が離せない、決して幸せな気分にはならないけれど、不思議な魅力のある作品だった。