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ヴィジットのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ヴィジット(2015年製作の映画)
4.0
休暇を利用して祖父母のいるペンシルバニア州メイソンビルへと出発したレベッカとタイラー姉弟は、都会の喧騒から離れて、田舎での楽しい1週間を過ごす予定だった。優しい祖父と料理上手な祖母に温かく迎え入れられ、母親の実家へと到着した二人。だが祖父母に出会えた喜びも束の間、就寝時、完璧な時間を過ごすためにと奇妙な“3つの約束”が伝えられる。第一の約束:楽しい時間を過ごすこと。第二の約束:好きなものは遠慮なく食べること。第三の約束:夜9時半以降は部屋から絶対に出ないこと……。そして、夜9時半を過ぎ、二人は異様な気配で目が覚める。部屋の外から聞こえるただ事ではないその物音に恐怖を覚えた彼らは、絶対に開けてはいけないと言われた部屋のドアを開けてしまう。彼らが見たのは、呻き声を上げながら屋敷の中を走り回る老婆の姿。別の日には、通りの向かい側でこちらを見ていた人を「何故つけ回すんだ」と怒ったお祖父さんが殴りかかったり、不審な出来事が続きながらも無事にやり過ごした最終日、レベッカとタイラーが見た衝撃の真実とは?
当時監督作品の興行不振が続き、世間から終わった監督とされていたM・ナイト・シャマランが、家を舞台に姉弟が恐怖に襲われるというストーリーを、疑似ドキュメンタリースタイルで撮影したサスペンスホラーで見事に復活した映画。
最初は優しい祖父母と楽しく過ごす中で、床下でレベッカとタイラーが鬼ごっこしている時にお婆さんが襲ってきたり、家出したレベッカのお母さんの話をするとお婆さんがヒステリックになるなど奇妙な出来事が起こり、夜中にお婆さんが呻き声を上げながら屋敷を駆け回ったりなど怪異が起き、レベッカとタイラーが家に潜む恐怖の正体を暴こうとするホラーサスペンス。レベッカは鏡で自分の顔を見なくなったり、タイラーは異常な潔癖症になった原因になった、父親の家出のトラウマ、次第に張られた伏線が一つになり回収される最怖のクライマックスが謎解きの怖さとトラウマが昇華される見事なオチで、「シックスセンス」の怖さとサプライズが戻ってきたようなクオリティのサスペンスホラー映画。
タイラーのフリースタイルラップ、レベッカとタイラーの掛け合いがユーモラスで、ちょうど良い息抜きのシーンになっていた。
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