いわゆる「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」型POV形式のホラー映画と思いきや、「ジュブナイル」要素や、親と子の物語としてもサブ・テキストが効いていて物語もよくできている。
１週間、母親がボーイフレンドと旅行に行くので、疎遠の祖父母に預けられて酷い目に遭う。
というワンアイデアのストーリーの中に、良い塩梅で丹念に仕込まれたアイデアやディテールの積み重ねに舌鼓を打つ。
有名俳優は誰一人出演していないし、お金もかかっていない様子だがそんなことは関係ない。
ただただ、ミニマムで最大の面白さを発揮している。
爺さんは婆さんが狂ってると言い。
婆さんは爺さんが狂ってると言い。
孫達は「まさかね？」と思っていると…そしてそれを記録するカメラのひとつひとつが伏線になり…。
ラストシーンでしっかりまとめられる、少年や少女の「大人になる」という通過儀礼の物語、からのエンドロールの爽快感。
「弟がどうしても、と言うので」でニコニコ顔で映画が終われる。
映画という娯楽の最も気持ちの良い時間を味わえる。忘れられない作品になった。
