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BegottenのKSatのレビュー・感想・評価

Begotten(1990年製作の映画)
3.0
マリリン・マンソンのPVの元ネタにもなり、海外のサイトや動画の「不快な映画」ランキングとか「怖い映画」ランキング、「トラウマになる映画」ランキングとかで毎回、かなり上位に来る、これぞ、ホントの「カルト」映画。

とにかく、難しい。
世の中には「難解」などと評される映画は多々あるが、この映画の場合、まず、そもそも画面に何が映っていて、何が行われているのか、それを理解するところからして難しい。
どうやら暴力と殺人と強姦の風景であるらしいことは伺えるが、映画のタイトル撮影で使うハイコントラストフィルムか何かで撮ったかのような白黒の画は、画質も悪いし被写体をはっきり映さないため、観ていても何がなんだかわからない。 ネットに上がっている中で比較的画質の良い動画を観たが、それでも全体の半分以上は何がなんだかわからないし、とても1990年に作られた学生映画には見えない。
その上、全編セリフが全くないのだから、正直かなりしんどい。

時折、ドイツの表現主義の映画や「第七の封印」、あるいは「アンダルシアの犬」や「イレイザーヘッド」を思い起こさせるようなカットが挟まれるが、あくまでそれは「そんな気がした」だけかもしれない。

ただ、とにかく悪夢そのものであるかのようなビジュアルを映し出すことに、一切の妥協を許さぬ姿勢は評価するべきではないだろうか。
強いていうなら、ひたすらびちゃびちゃした水音や呻き、鼓動などの音を延々と繰り返す音響は芸がなく、退屈。

正直、ホラー映画としても、アートフィルムとしてもやや物足りないが、不快指数がかなり高いのは間違いなかった。
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