シャンタル・アケルマン監督作品6作品目…。
ニューヨークの光景と共にアケルマン監督自身のナレーションで母親からの手紙を読み上げる映像作品…。
舞台はニューヨーク…
されど聳え立つ摩天楼はなく…
煌びやかな街並みもなく…
悄然とした風景…。
廃墟が建ち並ぶ中…
舗装も行き届かぬ道路を…
アップダウンしながら…
走行音を轟かせた車が行き交うだけ…。
フィックスから少しずつ移動するカメラ…
次はどんなシーン?? …
胸がときめきます…。
唐突にインサートするアケルマン自身のナレーション…母国ベルギーの母親からの手紙です…そしてアケルマン自身の声が映像と対照的にとても可愛らしく耳に優しい…時折車や列車の音にかき消されるほど儚くもあります…。
何通もの母親の手紙はそれぞれに差異はなく…家族や親戚の状況を報告…最後には必ずもっと手紙を送ってくれるように…と、付け加えます…。
過干渉の母親に対して、手紙をあまり出していない娘…お互い愛しているはずなのに…。
殺伐とした都会の風景と交わらない想い…。
ゲリンの『工事中』にも共通する映像…圧倒的に違うのは…アケルマンの作品には漂う孤独感や寂寥感…本人がétrangère エトランジェ(よそ者)という立場であること…そして異郷として捉えたニューヨーク…。
ラストの映像は秀逸…。
マンハッタン島から船で遠ざかるロングショット…街を離れていく映像がどんどんと曇っていきます…。
アケルマンの映像はやっぱり大好き…廃墟を映してもスタイリッシュでカッコいい…❤︎*。
thanks to ; ゴリアテさ〰︎ん𓂃𓈒𓏸 𓐍 𓏸 𓐍