とってぃぃ

シン・エヴァンゲリオン劇場版のとってぃぃのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

遂に大エンディングを迎える新劇場版エヴァンゲリオン。
スターウォーズシリーズを自らの手ではなく他人の手で決着を付けたルーカスとは違い自らの手でエヴァの呪縛にケリをつけた庵野監督に拍手を送りたい。そして全てを最後まできちんと見せた事に多くのファンも納得したのではないだろうか。とにかく劇場の大きなスクリーンで観る事を強くおすすめしたい。155分飽きる事無く観る事ができた。まだエヴァンゲリオンを未見の方はとにかく新劇場版3作を観てから劇場へ。








〈追記〉
一晩経っていろいろと整理できてきたので追記。

庵野監督は以前2次元の世界に籠る若者を憂慮しているという記事を読んだ事がある。
今となってはその象徴であり始まりでもあったような綾波レイというキャラクターをラスト早々とステージから降ろす。そこからすべてのこの世界のシンジを現実世界へと誘う作業をしているのだなと思った。
特にラスト、ゲンドウとシンジの対峙から始まる一連のキャラクターをシンジのイマジナリーから現実に戻していく工程はエヴァという世界を超えスクリーンの前にいる我々をも現実世界に戻していく作業をしているかのようだ。
ラスト実写とキャラクターの絵の合成。
成長したシンジのCVは声優ではなく神木隆之介だ。
唯一、声優ではない俳優の彼を起用する事もそれまでとそこからは違う世界線を引くようにしたのではないかと思う。
エヴァはあなたの頭の中の世界、さぁ現実に戻ろう。だけどあなたのエヴァンゲリオンはずっとあなたの頭の、心の中にいるのだ。
という監督からの優しいメッセージに取れる。

そしてラストで歌われるユーミンのカバーVoyger、宇多田ヒカルのOne Last Kissは空想の世界から現実世界へと緩やかに戻していく監督からのメッセージが込められているようで完璧な音楽の使い方だ。

ファンにとってこんな完璧で幸せなエンディングはもしかしたら他に無いのかもしれない。