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シン・エヴァンゲリオン劇場版のRENのレビュー・感想・評価

4.1
サントラについて自分の解釈と考察を。

冒頭、粗筋で流れていた曲は「主よ人の望みの喜びよ」
この曲は賛美歌とされている。当然歌詞も存在するが、ざっくり言うと「神の傍にいつまでも居続けたい、神の傍から離れたくない」というもの。
幸福な現状に固執するという部分に、シンジとネルフの心情(信条)がリンクする。「神に去って欲しくない」という歌詞と「使徒の訪れ」は相対するものたが、現状への固執(つまりサードインパクトの阻止)という点では重なる部分があるのではないか。

次に記したいのはゲンドウがアディショナルインパクトを起こした後に流れた曲、「もろびとこぞりて」だ。
クリスマスソングとして有名なこの曲は、神の訪れを祝福する歌だ。「民衆全員で迎え入れよ、主は来ませり」という歌詞からは救済と祝福の意がある。
アナザーインパクトの最中で救出に訪れたミサトとマリ。槍を届ける2人はさしずめ救世主であるが、ここではゲンドウを指した楽曲ではないかと捉えられる。ゲンドウにとっての主とは即ちユイの存在。ユイと再会し、己と全生物を補完させるのが目的。アディショナルインパクトとは即ち神を迎える儀式という訳だったのだ。
ネルフとヴィレ双方に該当する主の訪れ。ダブルミーニングとして解釈出来る。

エヴァはキリスト系の神話をピックアップした部分が多々あるが、それが楽曲にも組み込まれているのは非常に面白い要素だと感じた。
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