桃子

シン・エヴァンゲリオン劇場版の桃子のレビュー・感想・評価

4.5
「祝・完結」

映画館で鑑賞してから、そろそろ1か月経ってしまうので、印象が薄くならない内にレビューを書かないといけない。とは言え、最近はすっかり文章を書くことから離れてしまい、筆がスムーズに進んでくれない。困ったもんだ。まだレビューを書いていない映画はどっさりあるっていうのに、どうするんだ、自分…(笑)
映画館に出かけたのは去年の9月以来、なんと半年ぶりである。劇場に行って、風景がガラッと変わっているのに驚いた。ロビーには椅子がなく、広場みたいになっている。映画館のロビーには椅子があるのが当たり前で、それが全くない光景というのは異常としか思えない。しばらくはこういう状態が続くのだろう。
この映画を見に行ったのには、それなりの理由がある。実を言うと映画を見る前日まで存在すら知らなかった。NHKの「プロフェッショナル」を見て、庵野さんに興味を持ったのである。彼が心血を注いで作ったという作品を鑑賞したくなったのだ。(このドキュメンタリーはアマプラでも見られるようなので、興味のある方は是非!)
むろん、エヴァンゲリオンは知っているし、テレビシリーズは見たことがある。でも例によって内容はほぼ覚えていない。劇場版も見たことはないのに、いきなり完結編を見るのはどうかと思ったのだが、どうしても確認したくて劇場に行ったというわけである。
タレントの中川翔子さんがエヴァの大ファンで、御自分のYoutubeでこの映画について熱く語っていたが、長年の大ファンでも意味不明なことが多いらしい。それくらい難解なアニメをドシロウトの私が見てもそう簡単に理解できるわけもない。それでも、見ていて面白いと感じた。非常にエモーショナルな内容なので、ストーリーや背景がわからなくても心にずしんと響いてくるのである。
生まれてこのかた全く見たことのないSFチックな風景が次から次へと出てくるのだが、黒電話が出てきたりして古き良き昭和の時代のテイストも混ざっている。なんとも不思議で、それだけでも飽きることがなかった。よくわからないけれど、とてつもなく物凄いものを見させていただいた感がある。
長年この映画を作ってきた方々、そしてファンでこの物語を見続けてきた方々にとって、完結編というのは門外漢の私には想像もできないほどの意味があるのだろう。ドキュメンタリーを見て、庵野さんがどのように物語を終わらせるのか知りたくて鑑賞した映画なので、エンディングを見てなるほどなあと思った。アニメーションから実写へと変わる風景がとても美しい。作者の分身のような作品なのだということを確認したしだいである。
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