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シン・エヴァンゲリオン劇場版のryodanのレビュー・感想・評価

3.4
90年代のTVシリーズを経ての劇場版、あの頃はビデオーテープでした。それを見て以来の今作。20年以上社会現象であり続けたアニメの完結。すっかりイイ大人の自分とは裏腹に未だ中学生の主人公。久しぶりに見てもコイツなんも変わってない(笑)。エヴァファンとてこの中学生とずっとリンクしていたのだから庵野監督の罪は深い。ここで落とし前を付けるが如く、台詞の端々で「卒業」と「門出」を意識させる。主人公とエヴァがシンクロし続けたその関係性は、言ってみればエヴァシリーズとエヴァファンとのシンクロである訳だから、シンクロ率「∞」だなんて庵野監督からの最大の謝辞だろうね。作品自体はハッキリ言ってチンプンカンプン。とは言え20年越しに見る今作はケタ違いのアニメ表現。序盤のパリでの戦闘シーンは圧巻でした。空間の使い方が凄かった。とにかく何だかわからないけど、「踊るアホに見るアホ、同じアホなら~」で訳の分からない世界にのめり込む(笑)。まぁ、さすがに精神世界になるとヒクね。でもあのヒク世界から皆を外に存在する現実世界に踏み出させないといけない訳だから通過儀礼ではあるよね。そしてラスト。ネタバレ箝口令をしっかり順守するファン達はさすがです。シンクロ率∞のコール&レスポンス!庵野監督お疲れ様でした。そしてファンの皆様もお疲れ様でした!長かった旅も終わりです。これからは大人になった彼に現実世界で逢いに行く番ですよ。
さて話は変わりますが、海外から見て日本という国の最大のウリはやはりアニメ、ゲームと本当に考えていたのなら、オリンピックの開会式は庵野監督が適任だったんじゃないの?見てないから知らないけど、企画段階で大友克洋さんにしがみつく発想が時代遅れと感じてしまった。まぁこっちにかかりっきりで無理だったと思うけどね。あの序盤のパリのシーンを見て、そう感じずにはいられなかったです。
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