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アンナの出会いのsonozyのレビュー・感想・評価

アンナの出会い(1978年製作の映画)
4.0
ベルギー出身の女性映画監督アンナ・シルバー(オーロール・クレマン)が映画宣伝のため、一人、西ドイツ、ブリュッセル、パリへと列車で移動し、様々な人と出会うお話。

地味な茶系コーデに小さめのボストンバッグというい身軽なアンナ。
映画宣伝と言っても実際にそのシーンは前半にちょっと出てくるだけで、公衆電話やホテルから電話する。歩く。ホテルの窓から外を見る。全裸で寝る。移動する。男と寝る。様々な人と会い、彼らの話を聞く。。そんなアンナの行動と表情を追う。

ホテルに残されていたネクタイの持ち主の件でフロントに電話したり、ホテルの部屋から廊下に出されてた靴を手に取り、食べ残しの皿から食べたり、列車の個室からわざわざ混雑した普通車両に移動し人をかきわけて歩いてみたり…など妙な行動もするし、会う人たちとの関係も気になったりでアンナの行動から目が離せません。笑

久々に再会した母と小さなホテルの部屋をとり、小さなベッドで並んで寝ながら(いつも通りアンナは全裸。笑)、レズビアンに目覚めた体験を母に話すシーンや、男とのアレコレ(その絶妙なズレ感)、アンナが二度結婚を断ったらしい男の母からの説教、セフレ男から何か歌ってと言われ、興味深い歌詞の歌を微笑みながら歌ったり…と、エピソードの面白さと、アンナを演じたオーロール・クレマンの無表情〜微笑み、哀愁、孤独..を感じさせる微妙な表情変化が素晴らしい。
ラストの留守番電話を聞くシーンも印象的。

アンナはシャンタル・アケルマンの分身なんでしょうか。
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