星降る夜にあの場所で

自由の星降る夜にあの場所でのレビュー・感想・評価

自由(2000年製作の映画)
4.6
「はなればなれに」で思い出し(地下鉄の看板文字)

圧倒的絶望感を圧倒的な自然の映像と登場人物の表情のみで体現した傑作(正確には、ほんの何言だけの台詞アリ)。
10年以上経った今でも、大胆かつ繊細な映像が目に焼き付いています。
特に、打ち寄せる波の映像(何種類かあった)が凄まじかった。
構図に関しても、アンリ・カルティエ=ブレッソンに近づく勢い。
今のところ、鑑賞した「Few of Us」「家」「三日間」の中では本作がバルタス・マイベスト。
彼が表現した【自由】とはまさかの……なのか…

個人的に作風が近いと感じる監督としては、ビクトル・エリセ、アンドレイ・タルコフスキー、タル・ベーラ、アレクサンドル・ソクーロフ…などでしょうか。
ただ、作品として優れているという意味ではなく、バルタスは彼らの作品を突き抜けています。
前記した4人のタイプの監督がお好きな方は必見。
可能であるなら全作品を制覇したい気にさせる数少ない監督の1人。