アルパチ

首相官邸の前でのアルパチのレビュー・感想・評価

首相官邸の前で(2015年製作の映画)
2.0
反原発のデモが、政府方針にどれだけ影響を与えたかは甚だ疑問だ。

デモをしようがしまいが、安全に対する設計条件が変わったのだから、原発は止めざるを得ないし、再稼働もそう簡単に出来る訳がない。経済的論理で言えば、原発ゼロは自明の帰結なのだ。

ネゴシエーションとしても失格だ。反原発を合唱し感情に訴えるだけでは、政府は動かないし動けない。

その証拠に、昨今の安保関連法案のデモが政府方針に影響を与えたという実態は見えない。

映画後半の連合と政府の会談がこの映画のクライマックスとなっているが、これはデモのガス抜きと当時与党の人気取りの様相が強く、本当に勝ち取ったものと言えるだろうか。

正直、デモの現状は自己陶酔型で、知的な戦略が決定的に欠如してるように見える。

今後、世の中を変えるデモのあり方として、提言しておきたい。課題は、如何にして実権力を有する人々に効果的に訴えを届けるかという点だという事を。
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