ミツバチゴロバチ

エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中にのミツバチゴロバチのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

劇場鑑賞時、なんだか良かったんだけど話がいまいち呑み込みづらかったということもあり、僕としては珍しく短いスパンでの再見。

あらためて傑作!大好き!

呑み込みづらいというか単にストーリーがなかったから初見時は、ん?だったのだ。
起承転結の"起"だけの話なんだから。
大学新入生の主人公が野球部ハウス(寮)に入って、新学期の授業が始まるまでの3日間、ただただ新歓パーティーをハシゴしてるだけの映画。

しかしこの作品が味わい深いのは、監督の実体験に基づいている「1980年」という舞台設定。
凡その映画なら野球部パーティーでのウルトラハイなどんちゃん騒ぎがピークになりそうなところだが、本作では編入生ウィロビーの部屋でピンク・フロイド"Fearless"を聴きながら大麻でストーンしてる静かなシーンが一番印象に残る。
その70年代ヒッピー文化のユートピア感の名残り、それが終焉する寂寞感から、能天気でキラキラした80年代に突入していく未来への楽観的な期待感。その狭間の空気感が多幸感に溢れ絶妙なのである。この映画の肝といっていい。感、感、ばかり言ってるが。

劇中でも、そのウィロビーは年齢詐称(実は正にヒッピー世代の30歳だった)がバレて野球部(大学)を去り、その後に彼らが最後に行くのは80'sPOPな演劇部のパーティーであるところも示唆的。

野球部の面々も、アメリカン・ティーン映画で描かれるところの筋肉バカでカースト上位の“Jocks“っぽさは全然なく(大学というのもあるのかな?)、多種多様なキャラクター揃い、まんま僕の大好きな『風呂上がりの夜空に』の某高野球部(実は強豪校なところも)。この時代のファッションもダサくていいんだよな〜。

音楽もパンク、ポップ、ファンク、ロック、カントリー、ラップ、ハードロック、色とりどり。有名定番曲も多いのだが野暮ったさは全然なく使い方が上手い。もうとにかくHappy。