TT

スタング 人喰い巨大蜂の襲来のTTのレビュー・感想・評価

3.5
楽しかった!!。最近のモンスターパニック映画の中では、『ゾンビーバー』と肩を並べるくらい良くできてた。

ストーリーは、田舎の豪邸で開かれたガーデンパーティーを、未認可の薬品を混ぜた殺虫剤の影響で突然変異したスズメバチの大群が襲撃。この蜂に刺されると、体内で巨大化した人食い蜂が身体を突き破って出てくるのでさぁ大変。友達以上恋人未満のケータリングスタッフの男女コンビはこの危機から脱することは出来るのか。

昆虫が薬品によって巨大化して人間を襲うという昆虫パニックモノは、「1年に何本DVDが出てるんだ!」というくらい王道のスタイルだ。そんな中にも、ダニがデカくなる『ティックス』や、クモが大きくなる『スパイダーパニック』、『ビッグ・バグズ・パニック』みたいな良作もある。そして、今作『スタング』はそういった昆虫パニックモノの中ではかなり出来が良い作品だった。

特殊メイクとVFXの使い方がものすごく上手い。巨大蜂は、実写とVFXを組み合わせて表現してるんだろけど、全く切れ目がわからない。なので、アサイラムのサメ映画と違って、モンスターがそこにいるように感じられた。また、人体破壊描写も抜かりなくてよろしい。人間の皮膚を破って巨大蜂の姿が現れたあと、体中に突き破った人間の皮膚をくっつけたまま動き回るのも気が利いていた。

また、巨大蜂からのサバイバルよりも、主人公の男女ケータリングコンビのロマンスに重点が置かれているのも良かった。女性の方は真面目で仕事熱心なのに対し、男の方は暇さえあれば持ち場を離れてハッパを吸ってるくらいのグウタラぶりで、お互い気があるものの性格の不一致で友達以上の関係が発展しない。 しかし、突如危機的な状況に陥るや、男は自ら先導して客を邸内に誘導したり、危険を買って出る行動を起こしたりと、窮地において意外な力を発揮。「彼、意外と頼りになるじゃない!!」と女は徐々に男に惹かれていく。男の方も一応一般人なので、何度もピンチに陥るのだが、そういう時は女が男を救う。窮地を互いに助け合い、次第に距離を近づけていく過程がしっかり描かれていて、本作のストーリーを引き立てていた。

強いて難癖付けるなら、アップ寄りな編集に頼りすぎていたのはマイナス。
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