03

私はゴーストの03のネタバレレビュー・内容・結末

私はゴースト(2012年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

雰囲気が好き。
なんといっても素晴らしいのが75分で終わる親切設計。ループもの〜種明かしまでふくめてこの時間で纏めているのが本当に観やすくて良い。初めは主人公の声も外の鳥の声も消えうるように小さいが、こっちが慣れてくるのかだんだんとはっきり聞こえるようになり、話の解像度もグンと上がってくるのが、自我を取り戻しつつあるエミリーの内面とシンクロしているようで面白かった。館の中でしか話が進まないけど、撮り方が面白くて、心情に合わせて揺れるように、状況に即して写真みたいに画面を分割したり、ネガっぽくしたりしてて、飽きない。
すでに指摘されているように、A GHOST STORYって結構これの影響受けてると思う。途方も無い時間が自我を忘却させて、生前の執着とか名残みたいな抜け殻だけが存在し続けるという感じが…。死者の生活はもしかして結構穏やかなのかもなと思わせる感じ…。
しかしあっちには救いがあるけどこちらは無い。因果を断ち切った外側は気が狂うほどの「無」なところが一番恐ろしかった。この因果を切るという字幕、英語だとclose offと言われていた(気がする)ので、断続的な自我の流れを塞きとめるみたいな意味合いなのかなと解釈した。その考え方は個人的には、結構理にかなっている気もする。
総じて面白かったし、オチも好き。この話ってキリスト教ベースなのかな?だとしたら自殺は罪だと思うのだけれど、それを踏まえたオチなのか、或いは死が既に無と言うことなのか…後者である方が一貫性はあるか。
なんか螺旋階段から青鬼みたいなのでてきたのは笑ってしまった。なんで…。
03

03