みおこし

ぼくの伯父さんのみおこしのレビュー・感想・評価

ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)
3.4
フランスを代表する喜劇作家のジャック・タチの代表作。1958年度アカデミー賞外国語作品賞を獲得。

プラスチック工場の社長アルペルの息子のジェラールは、モダンな邸宅で裕福に暮らしていたが、あまりに無機的な生活に嫌気がさしていた。彼は優しいがどこか抜けている父方の伯父ユローを慕い、いつも遊びに連れて行ってもらうのが日課だったが...。

有名なテーマ曲もお馴染みですが、パリの街並みを舞台にちょっと浮世離れしたユニークな伯父さんとジェラールの日常をほのぼのと描いた作品でした。なんとも小粋で可愛らしいお話!
アカデミー賞の外国語作品賞を獲得する映画って、シビアな題材だったり、現実的な要素が詰まった人間ドラマの多い印象だったので、こんなにハートフルでどこまでも純朴なコメディがそれを制したというのがちょっぴり意外でした!でもハリウッドではなかなか作れないタイプのゆる〜い空気感といい、1950年代の映画とは思えない独特のモダニズムだったり、今見ても受賞の理由は納得の秀作でした。

ジャック・タチ監督本人が、このユロー伯父さんに扮していると後から知りました。おとぼけ感満載だけど憎めない愛嬌があって素敵!伯父さんはマヌケな性格だけど着ているジャケットや帽子がとってもオシャレだし、何よりあの屋根裏部屋の可愛いお家にひっそり住んでいるという設定も含めて100点満点!

でもちょっと尺が長くて、ウトウトしてしまう場面もありました(笑)。パリ旅行への思いを馳せるのにはぴったり!!
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